「シュリ」

　昨日、またも休日出勤しての帰り、「映画でも観て行こうか」と本牧まで行って、さて、何にしようかな、と。
　「御法度」が狙いだったのだけど、「御法度」は客の入りが悪いようで、既に日中しかやってない。
　「ワイルド・ワイルド・ウェスト」も悪くないが・・・とか思ってると、そうそう、「シュリ」が公開されていたんだっけ！と、言う訳で観て来ました。(^^)
　マイカル本牧シネマズで一番大きな劇場、夜９時３０分からと言うのにほぼ満席になってましたね。

　さて。
　私、何の予備知識もなし（ま、予告編くらいは観たけど）に、この映画観ましたが・・・うん、確かに凄いわ、こりゃ。

　ハリウッドの派手なアクション映画のような事は、他では真似出来ない、なんて事はよく言われますが、この映画を観ると、それがただの言い訳でしかない事が判りますね。
　この映画、なんと、制作費は日本円にして僅か３億円足らず（「梟の城」の１／３・・・「山田くん」の１／７！）でしかありません。
　だから、お金のかかる特撮やＣＧ（この映画だと、ゴールデンタワーの爆破シーンなど）の出来は褒められたモノではありませんが、派手なアクションと、その見せ方が上手いので引き込まれます。
　特に目立つのが手持ちカメラの多用で、まるで報道カメラの視点のようなアングルは、緊迫感とスピードを画面に与えていますし、ロングショットの絵を撮らない事でお金のかかるオープンセットも小さくて済み、出演者も少人数で済みます。
　（どうも「プライベート・ライアン」を参考にしたように思います）
　そんなアクションだけでも一級品なのに、映画は、ラブロマンスあり、男同士の友情あり・・・更に、分断国家の悲劇までも盛り込むのですから、ドラマとしても実に濃い内容となっています。

　映画は、北朝鮮での特殊部隊の訓練を描く所から始まります。
　1992年。北朝鮮・第８特殊部隊の女性隊員イ・バンヒが韓国に潜入。
　要人暗殺に抜群の手腕を見せ、韓国の情報部員を手玉に取る彼女だが、ここ一年程は形を潜めている。
　そんな彼女を追う韓国情報部員のユ・ジュンウォンは一年程前から交際している熱帯魚店の女性と恋に落ち、結婚間近となっていた。
　そんな折り、イ・バンヒの活動再開と共に、第８特殊部隊が韓国に侵入、液体爆薬を使ってのテロ行為を企む・・・と、まぁ、物語はこんな感じで進展します。

　現在は多少緊張が解けているとは言え、未だ一触即発の状況にある朝鮮半島情勢を考えると、北朝鮮を悪役にするのはちょっと・・・と思いましたが、映画では、軍の特殊部隊が政府の意図に反して暴走した、と言う設定になっていて、北朝鮮の国家自体を”敵”にはしていないのは・・・ま、この程度が妥当な所なんでしょうか。
　
　細かく見て行くと、韓国情報部員ともあろうものが、イ・バンヒの写真を手にしながら、本人を前にして全然気付かないのはおかしいのでは？とか、至近距離から頭に拳銃弾を撃ち込まれたら、脳髄をブチ撒けて即死だよな、などなど、ツッコミたくなる部分もあるのですが・・・まぁ、この辺はもう少し工夫してくれればなぁ、と言う程度。
　シラケてしまう、と言う程ではなかったので、まぁ、いいかな。
　あと、途中まで、情報部員のふたりの男性の見分けがつかなかったのには、ちょっと戸惑いました。(^^;

　また、主演のキム・ユンジン、ベッドシーン（でもないか）があるのにも関わらず、下着姿にすらならず（別カットで下着姿の背中の露出はあったけど）にいる、ってのはこれも国民性なのかなぁ。
　（日本製ＡＶがもてはやされるのが判るね(^^;）
　
　物語はテンポよく進み、途中でだれるような事もありません。
　ちょっとエンディングが長ったらしかったかな、とは思いますが、２時間４分と言う上映時間を長く感じる事はありませんでしたが・・・なにしろ、これだけの盛り沢山、まるでボリュウムたっぷりの韓国焼き肉みたいなもので、風邪で体調不良の身にはちょっと堪えるものでした。(^^;

　（１月２２日　マイカル本牧シネマズにて）

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