クローサー
夕陽天使

　昨日の土曜は例によって休日出勤、でも、予定の仕事を何とか切り上げ、早めに会社を出て、つきみ野へ。
　で、「クローサー」を観て来ました。

　これは、中国圏でトップクラスの人気女優３人の共演によるアクション映画。
　れっきとした香港映画なんですが、これは、「グリーン・ディスティニー」の成功に、二匹目のドジョウと狙ったコロンビア映画が製作したもので、ハリウッド的な派手さに本場・香港のアクションを加えた、いわば香港版の「チャーリーズ・エンジェルズ」とでも言えるものになっています。

　香港の巨大企業の社長が、白昼堂々、社長室で暗殺された。
　犯人は、「電脳天使」と名乗った、白衣の若い女だと言う。
　社内の監視カメラの映像記録にも姿を残していない、その鮮やかな手並みに、捜査をする香港警察の女性刑事、コンは社内に手引きした者がいると睨んで捜査を開始する。
　「電脳天使」は金次第で暗殺を請け負う、リンとクワンの美人姉妹で、会社乗っ取りを企む、社長の実弟の依頼によって社長を暗殺したのだった。
　社長の実弟は、次に、口封じの為に「電脳天使」を消そうと罠を張るが・・・
　　
　この映画、物語的に語るべき所がありません。脚本にはアラが目立ち、物語を進める上での整合が取れず、また、映画を面白くしそうなアイデアや材料がいくつも映画の中にあるのに、それが活かし切れていない不満もたくさんあるのです。
　例えば、主人公姉妹の両親が開発した、衛星監視システムも、その存在故に両親が殺された、と言う程のものの割には、小道具としてしか使われていないのが惜しい。これなど、それを奪おうとして両親を殺した首謀者が、倒すべき敵だとするだけで、主人公の動機に十分な理由になると思うのだけど・・・
　この、主人公姉妹が「暗殺」を生業とするに至った、動機付けが不十分な為に、中盤の展開がまるっきしダルいものになってしまっています。
　さすがに、最後、殺された姉の復讐に敵の本拠に乗り込んで行く辺りは、動機付けがはっきりしていて判りやすいのですけどね。(^^;

　しかし、反面、さすが、と思うのが、殆ど切れ目無く見せるアクションの連続。
　銃撃戦に、カーチェイス、香港映画得意のカンフーバトルに、クライマックスは、なぜか日本刀によるチャンバラと、手を変え品を変え、次から次にアクションシーンを並べる辺りの構成はさすがです。
　この辺りは、アクションの本場、香港映画の本領発揮と言う所。
　ま、欲を言えば、「００７／ダイ・アナザー・デイ」のように、物語や設定の弱さを感じさせない程のスピード感があれば、尚、よかったのですが・・・
　（この映画、正直、テンポがいまいちなのですよね・・・(^^;）
　更に、そのアクションを演じるのが、中国で絶大な人気の美人女優たちですから・・・ここは、細かい事を言わずに彼女たちの美しさを堪能するのが、この映画の楽しみ方かもしれません。(^^)

　演じる３人の女優の中では、私的にはヴィッキー・チャオがよかってです。
　「少林サッカー」では、そのルックスを活かす事は出来ませんでしたが、この映画では、その魅力全開。
　目尻の切れ上がった大きな目が印象的な、そのルックスは、まるでアニメやコミックスのヒロインが抜け出して来たような愛らしさ。
　なるほど、中国Ｎｏ．１アイドルってのにも納得です。
　また、正当派美人と言う感じスー・チーのしなやかなアクション、それに、従来のイメージを変えるバンカラな女刑事役のカレン・モクもそれぞれに見せ場たっぷり。

　立ち並ぶ摩天楼を舞台に、ハイテクを駆使する新世代の香港映画、キレのよいアクションは健在で、演じる女優も魅力たっぷり。
　これで物語に見応えがあればねぇ・・・と思ってしまうのは贅沢かな。(^^;

　（４月５日　ＷＭＣつきみ野にて）

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