「ドッジＧＯ！ＧＯ！」

　夏休みに入っているのだけど、今年の夏は出掛ける予定もないし、今日は天気もあまりよくないし・・・と言う事で、渋谷に出掛けて映画を観る事に。
　最初は、「ピンポン」と「チョコレート」を観るつもりでいたのですが・・・「ピンポン」は横浜で観られる事が判明。
　それなら「ピンポン」は後日、横浜で観るとして・・・ああ、これこれ、同じスポ根系のコレにしよう。
　「がんばっていきまっしょい」に「ウォーターボーイズ」のアミューズならこれは期待出来るっしょ、と思って選択したのがこの映画です。

　ドッジボール。この球技と言うかボール遊びについては、多くの人が小学生から中学生にかけて経験があるでしょう。
　私もよく知らなかったのだけど、平成３年には日本ドッジボール協会が設立されて統一ルールが定められ、選手権も開かれるなどして、小学生の間では、本格的なスポーツになると共に人気も上昇。
　今や小学生向け雑誌にドッジボールを題材とするマンガが連載されていたりするらしい。
　この映画は、そうした盛り上がりを受け、小学生向けのマンガを元に作られた映画です。

　主人公・入江ゆきこが小学６年生。
　地元、横須賀のドッジボールチーム「みなとドッジキッズ」のキャプテンをしているけれど、同じ地区の強敵「山手ドッジファイターズ」に勝ったことがない。
　そんな弱小チームに嫌気がさした脱落者が続出してチームはボロボロ、練習場の倉庫は近く取り壊されると言う。
　ゆきこは町会長に頼み込み、次の大会でドッジファイターズに勝つことができれば練習場の取り壊しを取りやめるという約束を取り付けるのだが・・・

　ここまで紹介すれば判るように、映画は典型的なスポ根もの。
　強力なライバル、弱小の我がチームはメンバーも抜けて解体寸前。だけど、頑張り屋の主人公はそんな状況にメゲず、新しい仲間を集め、ライバルとの対決に臨む・・・と、もう、定石通りと言うか、スポ根ものの王道、ド真ん中と言う感じです。
　ただ、この映画、この手の映画につきものの「特訓」シーンは見られないのが、物足りないような気もしますが・・・まぁ、小学生だし、あまり無茶な事はやらせられないか。(^^;

　こんな物語で、上映時間も１時間２３分と短く、更に主人公が小学生と言う事で、サイドストリーを極力絞った（主人公の両親の離婚や、ライバルチームのキャプテンに対する気持ちとか・・・まだまだ描き込めば面白くなりそうな要素はあるのだけど）ものだから、確かに食い足りない部分はあるのだけど、それでも、仲間を集め、対決に臨む辺りの展開は盛り上がるし、クライマックスの試合はやはり熱くなります。
　（勿論、最後には勝つ、と判っているんだけど、ね。(^^;）
　この試合シーンの迫力もなかなかです。
　本格的なスポーツになっている現代ドッジボールに、昔の「ボール遊び」のイメージしかなかった私は面食らいました。(^^;

　私的には主人公以外のチームメイトの描き分けが十分でないように思えましたし、新しく集めた仲間の能力が試合で発揮されないとか、もう少し脚本段階で練ってくれればよかったように思うし、ご都合主義が目立ちすぎる部分もあるのだけど、それもまぁ、この映画のターゲットとする小学生の観客にとっては問題でないかも知れません。(^^;

　しっかし、最大の問題は、こんな映画、何で渋谷で単館公開するんだ、って事だよなぁ。
　私の観た回なんか、小学生は１人しか観ていなかったぞ。

　（８月１２日　渋谷・シネアミューズにて）

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