「ＷＡＳＡＢＩ」

　日曜日、今日は久々にバイクに乗って・・・と、予定していましたが、生憎の曇天。
　それでも、ま、雨さえ降らなきゃいいか、と思って走り出しましたが・・・昨日とは大違いの寒さ。それに、小雪がチラつく有様で、こりゃタマらん、と予定を変更、１０kmほど走り回っただけでウチへ戻り、クルマに乗り換えて映画を観に行くことに。
　映画は「ＷＡＳＡＢＩ」。
　映画館は、先週、みなとみらいで懲りたので、ちょっとは空いていそうな本牧にしました。

　ジャン・レノと広末涼子共演で、舞台の殆どが日本と言う、ちょっと異色のフランス映画。
　フランスでは公開週には１位となったそうで、なかなか楽しいコメディ映画になっています。

　ジャン・レノが演じるのは、パリ警察の敏腕刑事ユベール。
　ある日ユベールのもとに、日本の弁護士から連絡が入る。日本人の元恋人のミコが急死し、その遺産管理者としてユベールが指名されたのだ。日本に渡った彼を待っていたのは、彼とミコの娘だと言う少女、ユミ（広末）と、彼女の口座に残された２億ドルと言う大金だった。やがてユベールとユミの周辺に、怪しげな男たちの姿が・・・

　この映画、監督は「ＴＡＸｉ ２」のジェラール・クラヴジック。
　リュック・ベッソンとクラヴジック監督が、どんな日本を撮るか、「ＴＡＸｉ ２」のニンジャを見て、心配していたのだけど・・・日本の描写は予想以上にマトモで、ちょっと安心。（ま、あれだけ日本人のスタッフが入っていればおかしいものにはなり得ないのでしょうけど）
　勿論、風俗描写や場面でおかしい所はある（「新宿」って言っているのけど、ここ、どうみても秋葉原だろう、とか(^^;）けれど、まぁ、問題にする程のことはないでしょう。
　かつての外国映画にあった、「国辱モノ」の描写は皆無と言っていいと思います。

　この映画、コメディとしては大味だし、アクションの見せ場も少ないし、謎解きの面白さも希薄。ただ、こうした物語の粗さと言うか、ある意味、イイカゲンさは、最近のリュック・ベッソン製作映画によくあるもので、映画にそれを覆すだけの魅力があれば、大して気にならない筈。
　この映画の魅力は、ジャン・レノのコメディと、広末の可愛さになるんだろうけど、私的には、「ＴＡＸｉ」の暴走タクシーや、「ヤマカシ」の７人組、「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のジェット・リーに較べ、魅力的だとは思えませんでした。
　ジャン・レノは確かにいい味出してるし、茶髪にした広末は、その喜怒哀楽の激しい奔放なキャラクターが何故か違和感なく、確かにかわいい。
　でも、何かいまひとつ物足りない印象でした。
　ただ、これは、今回、物語の状況説明に時間を取られてキャラクターが走っていなかったから、と言う点を考慮する必要があります。
　キャラクター的には、なかなか魅力的で、登場人物同士の掛け合いも楽しい。
　ユベールの相棒、モモは主役２人以上にキャラが立っていたし、フランスのユベールの彼女もまだまだドラマが作れそう。
　「ＴＡＸｉ」もそうだったけど、この映画、シリーズ化すると案外イケるものになるかも知れません。

　（２月１０日　マイラル松竹シネマズ本牧にて）

［戻る］