バブルへＧＯ!!!! |
これは、ホイチョイ・プロダクションズの「メッセンジャー」以来の８年ぶりの新作映画。
ホイチョイ・プロダクションと言えば、’８７年に「私をスキーに連れてって」、’８９年に「彼女が水着にきがえたら」を製作して次々にブームを巻き起こし、正に、バブル期の日本を代表する映画製作プロダクションでした。
その新作映画は、そのホイチョイ全盛のバブル期を舞台に描くＳＦコメディです。
物語の始まりは２００７年。
母親が自殺し、恋人には逃げられ、借金取りに追われる真弓。母親の葬儀を終えた彼女の前に、財務省に勤める下川路と名乗る男が現れる。
彼の説明では、真弓の母親・真理子は死んではおらず、偶然に開発したタイムマシンで、バブル崩壊を食い止める為に１７年前の日本に向かったまま行方不明になったと言う。
真弓は、母親を捜索する為、タイムマシンに乗って、１７年前の日本・バブル絶頂期の１９９０年に向かう・・・
１９９０年。
財務省が大蔵省だった時代。“クラブ”ではなく“ディスコ”だった時代。携帯はなくポケベルがもてはやされ、ボディコンに身を包んだおねえちゃんたちが、ディスコのお立ち台で踊っていた時代。
金余りの人不足、学生たちは豪華な卒業パーティーを開き、１万円札が今よりも軽かった時代。
この映画で印象的だったのは、スクリーンに再現されたバブル期の風俗描写。
そこには、映画ならではの誇張された、行き過ぎな表現もあるけれど、当時を知る人には懐かしく感じられる事でしょう。
はらは、正にこの”バブル世代”なので、懐かしい、と思うと共に、あらためて歳とったなぁ、って思いますね。
”あの時代”が既に歴史になろうとしているんですから・・・
あと、印象的だったのは、久々の映画主演となった広末涼子。
あれこれ言われはするものの・・・こうしてスクリーンで見る限り、その魅力は健在です。
既に２６歳になるのだけど、映画の中の役年齢、２３歳に違和感はなく、相変わらずキュート。
ダンスシーンでは意外な程にセクシーな身のこなしを見せるし、コメディエンヌとしてもなかなか。
以前、「秘密」を観た時にも思ったけど、広末は、映画女優としてもっと活躍出来る逸材だと思うんだけど。
この映画、ＳＦよりコメディの要素が強いです。
バブル崩壊は、大蔵省の金融政策ひとつを中止したから回避されるようなものではないですし、タイムトラベルもので不可避なパラッドックスもあっさり流されています。
一方、クライマックスはひと昔前のドタバタギャグが繰り広げられ、かなり軽い仕上がり。でも、この軽さとベタさ、判り易さがホイチョイ・プロの真骨頂でしょう。
まぁ、贅沢を言えば、これでテーマをもう少し掘り下げ、バブル崩壊がなった方が、日本国民にとって幸せだったのか？と言う所まで持ち込めれば大したものだったとは思うのですが、敢えてそれをしないのもホイチョイらしさか、と思います。
そんな、ベタながらも楽しい脚本を手がけたのは「踊る大捜査線」シリーズの君塚良一。なるほど、さすがです。
あの頃にタイムスリップししばし懐かしさに浸り、主人公たちの行為が結果的に現在にどんな影響をもたすのかを、ちょっぴりドキドキしながら見守る。
これは楽しい映画です。
（２月１２日 ＷＭＣ海老名にて）
（作品データ）
■監督
馬場康夫
■出演
下川路功 ・・・ 阿部寛
田中真弓 ・・・ 広末涼子
田中真理子 ・・・ 薬師丸ひろ子
飯島愛 ・・・ 本人
ラモス瑠偉 ・・・ 本人
八木亜希子 ・・・ 本人
飯島直子 ・・・ 本人
（その他のキャスト）
吹石一恵 伊藤裕子 劇団ひとり 小木茂光
森口博子 愛川ゆず季 鈴木一功 有吉弘行
山岸拓生 杉崎真宏 小野ヤスシ 露木茂
松山香織 木幡美子 伊武雅刀
■コピー
戦国よりも幕末よりもハイテンションな、あの時代へ──
■Ｌｉｎｋ
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