「秘密」

　本日、「秘密」を観て来ました。

　早稲田に受かった癖になかなか登校せず、挙げ句に男性タレントとの交際が発覚するなど、最近はあまりいい話の聞こえてこなかった広末涼子主演映画。
　「ベッドシーンがある」だの「パンティを脱がされる」だの・・・ってなスキャンダラスな話題がスポーツ新聞を騒がせたりしましたが、それでも、広末人気は健在で、劇場には「ヒロスエ、カワイー」と言う１０代の女の子がいっぱいでした。

　スキーバスの転落事故で、重体となった母と娘。やがて、母は息を引き取り、それと共に娘は意識を取り戻す・・・だが、娘には母の心が乗り移っていた・・・と言う所から始まるこの映画、原作は東野圭吾の同名小説。
これを、滝田洋二郎が監督しています。
　何かのキッカケで、心（精神）と身体が入れ替わってしまう、と言うのは物語では結構、よくあるネタで、映画でも過去に「転校生」などの例があります。
　大抵は、入れ替わりのハプニングをコミカルに描き、入れ替わりによって、登場人物が何らかの成長を果たした末に、元通りになってめでたし、めでたし、と言うのがパターンなのですが、これは違う。
　事故により、母の心が娘の身体に宿ってしまうのだが、その事故によって、母（の身体・・・と、恐らくは娘の心）は既に死んでしまっている。
　だから、元に戻りようがない、ってのがポイントで、最初っから、「別れ」が見えていて、どこかで「泣かせ」に入る事は予想がつきます。
　（その意味では、「サヨナラは２度目の方がずっと切ない」の宣伝コピーはなかなかよいですね）

　物語は、その「入れ替わり」を軸に、夫婦の愛情と、父親が娘にかける愛情、を描きます。
　このドラマはよかった。
　この映画、セックスも、そして、嫉妬などの負の感情も逃げずに描いていて、ちょっと間違えるとドロドロしたものになってしまいそうな所もあるのですが、小林薫のキャラクターも活きて、後味よくまとめてあるのも好印象。
　私的にはちょっとミートポイントをズラされた感があって泣けませんでしたけど、幾度もじーんと来るようなシーンがありました。
　とにかく、映画世界にのめり込んで、時間を忘れた１本でした。

　広末涼子は、資生堂のＣＭでも思ったのだけど、いつのまに、「少女」から「女」になっていますね。
　（まぁ、もう１９歳なのだから当然なのだけど）
　話題のベッドシーンでは、想像以上のセクシーさにどきどき。
　（しかし、広末、結構太る体質なのではなかろーか。顎の下、二重顎にこそなってないけど、肉、たるんでるもの(^^;）
　また、台詞も結構どきどきものでしたねぇ・・・
　「じゃ、口でしてあげよっか？」
　って言われるとねぇ・・・作中の小林薫の台詞じゃないけれど、
　「その顔（作中では娘の顔で、の意味）でそんな事、言うな」
　って思っちゃいますねぇ。(^^;
　また、広末、これで映画は３本目ですが、難しい２役を、なかなか上手くこなしているのではないでしょうか。
　大体、「２０世紀ノスタルジア」では、宇宙人が乗り移った少女、「鉄道員」では幽霊、と、広末にはまともな役が回って来ないんだよね。(^^;

　監督の滝田洋二郎は、ピンク映画の経験があるそうで、そのせいか、何というかセクシャルな演出が上手い。
　前出の広末は勿論、石田ゆり子演じる女教師がミニスカートで足を組むシーン、これが何とも色っぽくて（石田ゆり子と言えば、清純派の印象があるから尚更）小林薫の視線がついつい下に落ちるのも納得。(*^^*)

　ラストは、ちょっとアレ？ってな感じでした。
　あれじゃ、母親の意識が、娘を自由にする為に、娘になりすまして夫を騙し続けていた、と言う風にも受け取れます。
　そう考えると、最後の広末の曖昧な笑顔が意味深なんだよなぁ・・・
　（うーむ、女はコワいね）

　個人的には、岬の灯台で綺麗に終わりにして、後はエンディングの中で流してもよかったんじゃないかなぁ、とは思いましたが・・・

　（１０月１０日　横浜・相鉄ムービルにて）

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