| 闇金ウシジマくん Ｐａｒｔ２ |
これは、真鍋昌平による人気コミック「闇金ウシジマくん」の、映画版第二弾。
トゴ（１０日で５割）の暴利で金を貸す闇金融「カウカウファイナンス」の社長・丑嶋を巡る物語です。
盗んだバイクを乗り回した挙句に壊したマサルは、バイクの持ち主で暴走族ヘッドの愛沢に見つかり、リンチされた上で「カウカウファイナンス」に連れて来られ、修理代と慰謝料合計２００万円を借金して払えと迫られる。そんなマサルの無鉄砲さに目を留めた丑嶋は、マサルを社員として雇うことにする。
一方、高校を中退してフリーター暮らしの彩香は、ある日、ゲームセンターで新米ホストの麗と出会って・・・
原作コミックの２つのエピソードを組み合わせ、劇場版としてキャストも奢って仕立てる、と言う手法は、劇場版第一作と同じ。
特に、今回取り上げられたエピソードの「ホストくん」は、原作屈指の傑作とされていますし、サスペンスフルな人間ドラマは、演出の確かさもあって、正に借金と言う蟻地獄に堕ちる怖さを描き出し、確かに見応えがあります。
また、意外な実力派キャストにも注目で、特に、ストーカー男・エビヌマを演じた柳楽優弥の見事な役作りにはあらためて感心しましたし、ライバル闇金社長を演じた高橋メアリージュンもいい存在感を見せていました。
ただ、残念ながら第一作ほどのインパクトに欠けている、と言うのが正直なところ。
好青年のイメージの林遣都にチャラ男を演じさせ、ＡＫＢのエース格の大島優子を引っ張り出して、風俗嬢に転落する様を演じさせた第一作。まぁ、大島優子が脱ぐ訳ないだろう、と予測はつくにせよ「どこまで演るのか？」と興味を引っ張りましたし、２つのエピソードを絡ませ、見事に対比させた物語もよく練られていました。
しかし、この第二作では、組み合わされた２つのエピソードの連携がなく、映画の構成が漫然とした印象となっていますし、前作のようなバイオレンス描写も少なければ、見せ場となるようなアクションシーンもありません。
ヒロインの彩香を演じた門脇麦は「愛の渦」でフルヌードと大胆なカラミ演技を見せており、今更、パンツ下した程度でインパクトがある訳もなく、ホストとその彼女の転落劇、と言うのも、間の悪い事に「東京難民」と被っていて新鮮味に欠けて見えてしまいました。
また、せっかくの劇場版なのに、表現がぬるいと言うのも問題でしょう。
社会の最底辺に生きる、生死ギリギリのドラマ・・・賭博、薬物、セックス、そして暴力、そのどれもテレビドラマ基準の中に留まってしまっているのです。地上波ＴＶならば仕方ないにせよ、このドラマ、元々子供に観せるものではないでしょう。
Ｒ１５、Ｒ１８でもいいから、劇場版ならではのもっと過激な描写をすべきだったのではないでしょうか？
製作陣にも、キャストにも、その力は十分にあると思われるだけに、妙な所で抑えた描写がなんとも勿体なく思えました。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
山口雅俊
■出演
丑嶋馨 ・・・ 山田孝之
加賀マサル ・・・ 菅田将暉
愛沢浩司 ・・・ 中尾明慶
藤枝彩香 ・・・ 門脇麦
神咲麗 ・・・ 窪田正孝
エビヌマ ・・・ 柳楽優弥
犀原茜 ・・・ 高橋メアリージュン
（その他のキャスト）
綾野剛 木南晴夏 希崎ジェシカ バカリズム 大久保佳代子 キムラ緑子
マキタスポーツ 本仮屋ユイカ 光石研 崎本大海 やべきょうすけ 久保寺瑞紀
相葉裕樹 落合モトキ 平田実 水野友加里 蓮実クレア 橘ひなた 舞咲みくに
玉名みら 大崎美佳
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ある日、ボクは（ワタシは）ヤミ金のウシジマくんと出会った・・・・・・。
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