| 王妃の紋章 満城尽帯黄金甲 |
これは、チャン・イーモウ監督の最新作。
７世紀後半、唐が滅びた後の戦国時代の中国のある国の宮廷を舞台にした愛憎劇です。
重陽の節句を祝う為、王と第二王子が宮廷へと戻ってくる。
王妃は、前の后の息子である皇太子と不倫を続けていたが、皇太子は別の若い女官とも関係を持ち、王妃との関係を切りたいと望んでいた。
一方、癇癪持ちの王妃に対し、王は、特別に調合させた薬を飲ませていたが、それには密かに毒が盛られていた。
密偵によりそれを知った王妃は、密かに反乱を企てるが・・・
この映画、空前絶後とも思える圧倒的スケールで迫る絢爛豪華さには眼を奪われますが、これは案外小さな話。
チャン・イーモウ監督作としては「ＨＥＲＯ」や「ＬＯＶＥＲＳ」路線の中華アクション大作と言えるでしょうけど、封建的な小さく閉じた人間関係の中で、ヒロインが苦闘するという筋立ては、イーモウ監督が初期作品で得意としたもの。
ヒロインの王妃を演じるのがこれら初期作品に主演していたコン・リーだということも、そうした印象を強めています。
その意味では、これはイーモウ監督の集大成とも言える映画ですが、
その過剰なばかりに眩く怪しい輝きは、頂点を極めた故の崩壊への兆しのようにも見えます。
ありったけの資金と美女とを積み上げたこの映画、莫大な資金を得て巨大化しつつ、退廃しつつある中国映画の現状を暗示しているようにも思えるのですが・・・
（４月３０日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
チャン・イーモウ
■出演
王 ・・・ チョウ・ユンファ
王妃 ・・・ コン・リー
（その他のキャスト）
ジェイ・チョウ リィウ・イエ リー・マン ニー・ターホン チェン・ジン チン・ジュンジエ
■コピー
王家の掟
──憎しみあうこと
──愛しあうこと
──殺しあうこと
■Ｌｉｎｋ
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