シャーク・テイル

　金曜日、どうせ土曜も出勤しなければならないのだから、と会社を早めに上がり（って言っても世間的にはあまり早くない時間だけど(^^;）、つきみ野のレイトで「シャーク・テイル」を観る事に。

　これは、「シュレック」などを手掛けたドリームワークスの最新ＣＧアニメ。

　海底にある魚たちの大都会、リーフシティ。
　街の魚たちは、時折現れるサメの恐怖に怯えながらも、平和に暮らしていた。
　そんなリーフシティの下町に暮らす小魚のオスカー。
　ある日、オスカーは借金取りに深海に連れ出され、”始末”されそうになった時、巨大なサメに襲われてしまう。
　ところが、その直後にサメが事故死。
　オスカーは、それを利用し、”サメを倒した魚”、「シャーク・キラー」として一躍、街の人気者になるのだが・・・

　明らかに「ファインディング・ニモ」を意識していると思われるこの映画だけど、魚たちのキャラクターはかなりデフォルメされ、その生活ぶりも人間の社会と動きを模したものとされています。
　今回の新趣向は、キャラクターの顔を声優たちに似せてあること。
　ウィル・スミス、レニー・ゼルウィガー、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デ・ニーロと言った、豪華キャストを声だけの出演とするのも勿体ないと思ったのでしょうか？
　その造形は、どう見ても”人面魚”で、ちょっと不気味な感じもあるのですが、その動きも人間に近くデフォルメされている為に、見慣れると、これもありかな、と。
　まぁ、デフォルメがきついものの、本人を連想させる（特に、ウィル・スミスが演じたオスカーは本人ソックリ！）魚が、表情豊かに動き回るのは、確かに面白いです。
　実写でやったらとんでもない事になりそうなキャストだけに、現実にはあり得ない豪華な競演を楽しむのもいいでしょう。
　（その意味では、吹き替え版は魅力半減のような・・・）

　出演者の中では、ウィル・スミスが、終始ハイテンションなラッパーのノリを披露しています。
　元々、ラップ歌手のウィル・スミスだけに、この手の演技は正に本領発揮、と言う所でしょう。
　音楽も、そのノリに合わせてアップテンポのものが多いので、感じ方によっては、かなり騒々しく感じるかもしれません。
　あと、ハリセンボンのサイクスの声は、映画監督のマーティン・スコセッシだけど、ここまでの演技が出来るとは・・・

　物語としては他愛ないもので、ドラマに厚みも重みもなく、ノリと勢いで押し切る映画ですけど、パロディは満載。
　（サメたちの巣窟が、あの「タイタニック」で、壁に例の絵が貼ってあるなんてシーンも・・・(^^;）
　もっとも、ちょっとヒネったネタも多く、これでウケるにはそれなりの知識が必要。
　「シュレック」ほどではないにせよ、ケレン味もかなりあって、ターゲットとする年齢は「ニモ」よりも高そう。
　でも、そうなると、物語がちと物足りないんだよなぁ・・・

　（３月１１日　ＷＭＣつきみ野にて）

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