きみに読む物語

　土曜日、休日出勤の後で、映画を観に行こうかな、と。
　「ボーン・スプレマシー」もいいけれど・・・まずは「きみに読む物語」にしておこうかな。
　新作が公開されて、上映回数が減って来ているし、観られる時に観ておかないと、また見逃してしまうことになりかねないからなぁ・・・

　これは、「メッセージ・イン・ア・ボトル」の原作者であるニコラス・スパークスの同名小説を、「ジョンＱ　最後の決断」のニック・カサヴェテス監督が映画化したラブストーリー。
　原作の小説は、アメリカではベストセラーになった、と言う事です。

　主人公のデュークは、アメリカ南部にある湖のほとりの老人ホームで暮らし、同じホームで暮らす痴呆症の老女にある物語を読み聞かせるのを日課にしている。
　その物語は、若い恋人たちの話だ。
　南部の小さな田舎町で、お金持ちの令嬢アリーに一目惚れしたノアという青年が、熱烈な求愛でついに彼女のハートを射止める物語。
　でも、若い２人の恋は夏の終わりに引き裂かれ、アリーは大学へ、ノアは軍隊へ。
　やがて、アリーは新しい恋に落ち、そして・・・

　映画は、遠い過去の若い恋人たちの物語と、現代の老人ホームでその物語を老女に読み聞かせるデュークの話が交互に描かれるのだけど、この老女と言うのが実は・・・と言うのは、物語冒頭から、何となく判るのですが・・・ここまでひねりのない話だとは、逆の意味で新鮮でした。
　（あまりにも見え見えなので、何か仕掛けてあるのかと思ってしまいました）

　物語としては、本当にひねりがなく、エピソードもよくあるタイプのもの。
　（過去の若い恋人たちのエピソードなど、「メラニーは行く！」そのままと言っていい内容でした）
　物語のテンポもゆったりとしたもので、特に序盤は盛り上げる工夫もないものですから、ちょっと退屈な感じも受けました。
　しかし、そんな淡々とした平和な描写が、後になって効いてくる、この展開はなかなか感動的。
　映像も美しく、これはよくできた感動ドラマだと思います。
　（ただ、ラストは自分的には、ちょっとハズされた感じで、泣けませんでした）

　若い恋人たちを演じたカナダ人俳優、ライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムスの初々しさがいいですね。
　本当に素敵な物語を演じています。
　また、デューク役のジェームズ・ガーナーと老女役のジーナ・ローランズ（ニック・カサヴェテス監督の実母）、２人のベテランが見せる演技もさすがです。

　気になったのは、主要なロケをカナダで行っているせいでしょうか、何とも寒そうなんですよね。
　アメリカ南部の夏の物語なんだけど、吐く息が白いんだものなぁ・・・格好が薄着なだけに白い息がすごく気になってしまいました。(^^;

　（２月１２日　ＷＭＣつきみ野にて）

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