「メラニーは行く！」

　土曜日、休日出勤しての帰り、「メラニーは行く！」を観て来ました。

　リース・ウィザースプーン主演のこの映画、とにかく、彼女の魅力全開。
　ただ・・・この売り方にはちょっと疑問アリ。
　「女性好感度１００％　男性不快度１００％」ってな宣伝文句や、
　「明日も地球はワタシの為に回る」ってなコピーから、ワガママ女が男を振り回す映画、ってな印象なのですが・・・映画を観て、受ける印象はチト違う。
　原題が「Sweet Home Alabama」とあることからも推測出来るように、この映画は、一度、故郷を捨て、都会に出て来たヒロインが、やはり故郷はいい、と言う気持ちに立ち返る映画なのです。
　
　アラバマの田舎町から、ＮＹに出て来て７年。新進ファッションデザイナーとして注目を浴びるメラニーは、ショーを成功させた晩、恋人でＮＹ市長の息子、アンドリューズからプロポーズを受ける。
　幸せの絶頂にある、と思えるメラニーだが、彼女には、ひとつの問題があった。
　それは、故郷のアラバマに置き去りにして来た夫がおり、離婚がまだ成立していないのだ。
　メラニーは急遽、アラバマに戻ると、夫・ジェイクに離婚届を突きつけるのだが・・・

　・・・まぁ、ここまでの展開だと、メラニーの身勝手さばかりが目立ってしまう訳ですが、それでも彼女は、それ程ヒドいワガママ女ではないんですよね。
　確かに、ＮＹの最新流行ファッションに身を包み、アラバマの田舎町では浮いてしまってはいても、旧友には親しく話しかけて、お高く止まるような事はしないし、酔っぱらって暴言を吐き、みんなを不快にすれば、次の日、みんなに謝って回るような所もある。
　メラニーは、彼女なりに、故郷とＮＹ、夫であるジェイクと、婚約者のアンドリューズのどちらかを選ぶか、真剣に考え、悩む訳で、そうした姿が見られるからこそ、観ていて不快になるような事はありませんでした。

　ただ、これは、メラニーを演じているのがリース・ウィザースプーンだから、と言う事もあるでしょうね。
　ハリウッドの美人女優と言うと、長身でグラマー、と言うのが相場の中にあって、リースは、スレンダーで小柄（と言っても１６０cm以上はありそうだけど）、猫のように大きな目がクルクルと表情を変える、美人と言うより、キュートと言う感じがピッタリの彼女は、一般的な日本人の趣味からしても「かわいい」と言えると思います。
　まぁ、こんな彼女にニッコリされた日にゃ、多少のワガママも通してやろうと思えてしまうのが、男のさがってなモンで、この辺り、宣伝文句を考えた人は男性心理についての考察が足らんなぁ、と思ったりする訳です。

　また、洗練されたファッションを着こなすセンスと立ち振る舞いに、庶民的な感覚が同居するのも彼女の魅力。
　彼女の中に、そのどちらも存在するが故に、ＮＹと故郷アラバマ、どちらを選ぶのか、最後までやきもきしてしまうのが、この映画の面白い所。
　そう考えると、この映画、リース・ウィザースプーンなくしては成立しえなかった映画かも知れません。

　（６月２８日　ＷＭＣ海老名にて）

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