ＳＴＥＰ INTO ＬＩＱＵＩＤ
ステップ・イントゥ・リキッド

　今日は、大黒で「家庭の事情」のミーティング。
　予報はずれの晴天となった今日、暑さには参ってしまって、早めに解散となってしまったので、その後、ちょっと映画でも観に行こう、と。

　以前から「茶の味」を観たいなぁ、と思っていたので、渋谷のシネマライズに行ったのですが・・・これが結構な人気。
　大体、３０分ほど行列に並ぶ必要がありそう、とのこと。
　こいつは参ったね、と、予定を変更、同じシネマライズで上映している「ステップ・イントゥ・リキッド」、これもそれなりの人気ではあったのだけど、１０分ほど並べば座れる、との事だったので、これを観る事にしました。

　これは、世界各地のサーフィンスポットを紹介し、そこをエンジョイするサーファーの姿とインタビューをまとめたドキュメンタリー。
　はらには、サーフィンを始めマリンスポーツの趣味はないのだけど、映画はそんなはらにも充分面白く観られました。

　この映画の見所は、何と言ってもダイナミックなサーフィンの映像。
　まぁ、この手の映像は「ブルークラッシュ」でも観たのだけど、トッププロですら命の危険すら感じると言う大波の上を鮮やかに滑っていくサーファーたちの姿はスリリングかつ爽快、そして、盛り上がる波の迫力はやはり凄い。
　この手の映画、ＤＶＤやビデオで観る人も多いだろうけど、これはやはり映画館の大スクリーンで観たい、と思いました。

　美しくもダイナミックな映像の中で、印象的だったのは、パドリング（手で掻いて進む）が不可能で、トゥーイング（ジェットスキーで波に乗るまで引いて貰う）で挑むハワイ・ノースショアの大波。
　美しくも危険なタヒチの波の上を華麗に滑る女性サーファーたち。
　そして、圧巻だったは、何と波高６６フィート（約２０ｍ）と言う、大波と言うか津波のような波へのアタック。
　これはもう、圧倒されました。

　変わりダネのサーフィンも興味深いです。
　トゥーイングもそうなのですが、びっくりしたのはフォイルボード。
　水中翼船と同じ理屈なのですが、ボードを水面から浮かせて滑っていくその様子は、何とも不思議でした。

　ドキュメンタリーだけに、「ブルークラッシュ」では観られなかった、カメラマンがどのように撮影しているのかも映されます。
　サーファーも凄いけど、大波の中で立ち泳ぎしながら、あるいはジェットスキーの上、または海面すれすれを飛ぶヘリコプターから、その迫力ある映像を捉えようとするカメラマンも凄い、と思いました。

　もっとも、この映画が伝えようとするのは、そんな迫力の映像だけではなく、サーフィンを楽しむ人々の姿。
　華麗な技を披露するプロ・サーファーだけでなく、サーフィンを続け、サーフィンそのものが人生になってしまったようなベテラン、そして初めてボードに乗る子供たち。
　心から楽しい、と言うような笑顔を浮かべる子供たちには思わず微笑みが浮かびますし、気張らず、自然にサーフィンと向き合うベテランたちの生き方には感銘を受けます。
　彼らにとって、サーフィンは単なる趣味を越え、人生そのもの。
　そんなに「好き」になれるものを持っている彼らの生き方がちょっと羨ましくなりました。

　（８月２２日　渋谷・シネマライズにて）

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