シュレック ２

　２００１年に公開された、ウィリアム・スタイグの絵本「みにくいシュレック」の劇場版アニメ映画、「シュレック」の第２弾。

　前作のラストでフィオナ姫と結ばれたシュレックのその後を描く映画です。

　物語は、ハネムーンから帰宅したシュレックの元に、フィオナ姫の実家”遠い遠い国”の王家から、結婚披露舞踏会の招待状が届く所から始まります。
　ところが、この招待状にはとんだ手違いがありました。
　フィオナ姫の父王は、フィオナ姫の呪いが解けないでいる事も知りませんし、結婚相手が緑の怪物・シュレックである事も知りません。
　てっきり、チャーミング王子が姫の呪いを解いているもの、と思っていたのです・・・

　様々な童話を引用、それを見事に逆転してパロディにしているこの物語、前作は「見た目と中身は大違い」と言うテーマでもって、”外観コンプレックス”をネタにしていました。
　今度の映画は、「結婚」をテーマに、「王子さまとお姫様は幸せに暮らしました」と言う、「シンデレラ」のエンディングを逆手に取ったものになっています。

　「結婚」は、ゴールではなく、スタートに過ぎず、今まで他人だった２人が一緒になる事で、様々な軋轢が生じる。
　今までの生活も違えば、習慣も考え方も違う。
　お伽噺のように「いつまでも幸せに暮らしました」とはいかないのです。

　・・・ってな事は、ある程度の年齢になれば誰でも判っている事であって、それをお伽噺の世界に持ち込んで、パロディにしようにも、ちょっと現実臭くて新鮮味に欠けるように感じられました。
　実際、このテーマは前作ほどの切れ味は持っていないように思います。

　もっとも、テーマはともかく、映画としてはかなり面白い。

　前作より３年、進歩したＣＧ技術は、前作をはるかに上回る魅力的な世界を作り出しています。
　（３Ｄ・ＣＧアニメの本家、ピクサーに負けず劣らずの仕上がりは、さすがドリームワークス、と言う所でしょうか）
　また、童話だけでなく、様々な映画からの引用、そしてパロディシーンの連発には・・・正直、ウケました、爆笑の仕上がりです。
　（「マスク・オブ・ゾロ」に「ミッション・インポッシブル」、「スパイダーマン」もありました。「フットルース」、「フラッシュダンス」なんて懐かしいネタも・・・(^^)）
　妖精の杖のひと振りで、家具が踊り出す、と言うディズニーばりのミュージカルシーンはあるし、終盤には、怪獣映画並のスペクタクルシーン（これって「ゴーストバスターズ」か？）も用意されて、サービス満点。
　（この辺り、元ネタ知ってる大人の方が楽しめる映画でしょう）

　クライマックスは、続編制作決定のニュースを聞いていただけに結末が見えてしまったのが残念（シュレックが緑の怪物でなくなる訳がないものね）ですが、まずは納得のエンディング。
　（おまけもまたよし）

　いやぁ、これはなかなか・・・見事なもんです。

　（７月３０日　ＷＭＣみなとみらいにて）

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