ボーン　　　　　
　　アイデンティティ

　月曜日の定時日、「ボーン・アイデンティティ」を観ました。

　これは、幼なじみだというベン・アフレックと比べて、どことなく影の薄い印象のあるマット・ディモン主演のスパイ・サスペンス映画。

　地中海で漁船に拾い上げられたひとりの男。彼は背中に銃弾を受け、そして、記憶を失っていた。
　手がかりは、尻の皮膚の下に埋め込まれていたカプセルが示す、スイスの銀行口座番号だけ。
　そのスイスの銀行口座の名義は、アメリカ人、ジェイソン・ボーン。金庫からは、自分の写真を貼ったジェイソン・ボーンのパスポートも出て来た。
　が、同時に男が見つけたのは、自分の写真を貼った複数の名前のパスポートと、欧州各国の大量の紙幣、そして拳銃・・・自分は、一体、何者なのか・・・？

　この映画の主人公、ジェイソン・ボーンは、特殊な訓練を受けたエージェントなのだけど、それが記憶喪失になった、と言う設定で、観客と共に、訳の判らないままで事件に呑み込まれる、巻き込まれ型の展開としているのは、新鮮味はないにしても、なかなか巧みな展開。
　その展開と、思わず手に汗握るようなアクション（特に、パリ市街での、オンボロ・ミニによるカーチェイスは秀逸！）には引き込まれます。

　マット・ディモンは、なかなかアクションも似合うなぁ、と言う感じ。
　また、マット・ディモンは、今回、髪を短くしてイメージチェンジ。
　何というか、「猿の惑星」のマーク・ウォールバーグに似た印象（最初、予告編を観た時は、てっきりマーク・ウォールバーグ主演かと思った）になっています。
　ただ、どうせ髪切るなら、中盤で、尾行をくらます為にヒロイン（「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポランテ）の髪を切るシーンがあるのだけど、その時に、マット・ディモンも髪を切ってイメージチェンジをして欲しかったなぁ。

　残念なのは、アクションもので重要な、敵役の印象がちょっと弱く、しかも、かなり間抜けに見えてしまうこと。
　また、物語のスケールが案外小さく、しかも最後は、敵の内部崩壊で終わってしまう辺りが、ちょっと尻切れトンボな印象。
　まぁ、でもアクションは楽しめたし、ラストシーンも爽やかで美しく、娯楽作品としては満足の１本でした。

　（２月１０日　ＷＭＣつきみ野にて）

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