「アイス・エイジ」

　土曜、休日出勤をして、仕事が一段落した所で、時計を見ると、つきみ野に映画を観に行けるタイミング。
　「猫の恩返し」にしようかな、と最初は思ったのだけど、「アイス・エイジ」の方が待ち時間が少なそう。
　「アイス・エイジ」は本日封切りだけど、ま、つきみ野だし、問題ないでしょ、と思っていたら、やはり館内はガラガラで、ゆったりと楽しむ事が出来ました。

　これは、最近、多くなってきたオールＣＧ映画。
　ただ、製作は、お馴染みのピクサーではなく、ブルースカイスタジオによるもので、ピクサーのオールＣＧアニメとはまたひと味違った映像を見せてくれます。
　その映像は、質感のリアルさなどではピクサーに及ばないと感じさせる（主役のマンモスの体毛表現に１年半かけたと言うが・・・）ものの、この映画では、ある意味、セルアニメ的な感覚でそれを違和感無く見せているのが面白い所。
　確かに、徹底的にリアルにこだわらなくても、これはこれでひとつの方法であると思います。

　物語の舞台は氷河期。
　この時代、動物たちは冬の訪れと共に南へ移動をしていた。
　そんな移動の季節、トラブルメーカーであるが故に仲間から置き去りにされた、ナマケモノのシドは、群から離れ、１頭で北へ向かうマンモスのマニーに命を助けられ、行動を共にする事になる。
　そんな２頭が、人間の赤ん坊を託される事になる。
　赤ん坊の母親は、２頭に子供を託すと息絶えた。
　赤ん坊を仲間の人間の所に返そうとする２頭の前に、サーベルタイガーのディエゴが現れ、人間の群を追跡する案内役を買って出るが、実はディエゴにはある企みがあった・・・

　登場するキャラクターは、映像のタッチに合わせてデフォルメされ、演出もコメディタッチ。あちこちにギャグが仕込まれた楽しい映画になっています。
　特に、予告編にも登場し、冒頭から最後までギャグ担当の氷河ネズミ？スクラットの活躍ぶりには笑わされるでしょう。
　ただ、映画を貫く物語の方は、そうしたコメディチックな描写の裏にドラマを秘めた、なかなか見せるもの。
　この映画、お互いに反目し合う者同士が旅をする事によって、心が結ばれていくロードムービーの王道であるのは勿論、明るいコメディの裏に陰謀を潜ませ、仲間との友情のドラマの影に、彼らを騙す心の葛藤を描く辺り、これは大人をも納得させるでしょう。
　それが１時間２２分と言う、最近では短いと言える時間でまとまっているのですから、この充実度は大したもの。
　実際、これは、ディズニーの「ダイナソー」なんかよりはるかに上手な、大人をも感動される物語（不覚にも、私、この映画、幾度か泣かされそうになった）だと思います。

　これは、子供向け、とは思っているとさにあらず。なかなかの力作だと思います。

　（８月３日　ＷＭＣつきみ野にて）

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