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これは世界中が注目する「スター・ウォーズ」シリーズの完全新作の続編で、新たなる三部作の第一弾。。
「エピソード６：ジェダイの帰還」の３０年後の世界を描くもので、「エピソード７」となります。
監督は、「スター・トレック」のリメイク版を監督し、「Ｍ：ｉ−III」の監督も務めたＪ・Ｊ・エイブラムス。
遠い昔、遥か銀河の彼方の物語は、銀河帝国の崩壊から３０年後に始まります。
銀河の戦乱は収まらず、「ファースト・オーダー」と呼ばれる銀河帝国の残党が巨大な軍事力を以て新共和国を圧迫していた。共和国側の対抗勢力「レジスタンス」の最後の希望は、ジェダイ復活に失敗し行方をくらましている最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーだ。
「レジスタンス」を率いるレイア・オガーナ将軍は、共和国一のパイロット、ポー・ダメロンを惑星ジャクーへ派遣するが、ファースト・オーダーに襲撃されてしまう。ポーは捕らえられたが、手がかりの地図はドロイドのＢＢ−８に託されて……
満天の星空が映し出され、お馴染みのファンファーレと共に現れる「ＳＴＡＲ ＷＡＲＳ」のロゴと物語の序章の文章に始まる物語は、紛れもない「スター・ウォーズ」。
今回から、ディズニー映画となってしまったのですが、あのディズニーがシンボルマークのシンデレラ城のマークを出すのを敢えて封印、お馴染みの様式を崩さなかった、と言う辺りも好印象です。
Ｊ・Ｊ・エイブラムス監督は、「スター・ウォーズ」シリーズの熱烈なファンでもあるそうで、描き出される世界観は、正に「スター・ウォーズ」（それもエピソード４〜６の）世界そのもの、と言う感じで、その映像世界の構築は見事なものですし、ハン・ソロにチューバッカ、レイア姫と言うお馴染みのキャラクターが年齢を重ねて（しかも本人）が登場するのも、懐かしいと共に嬉しくなる演出です。
ただ、そうした高揚感がやや失速した感があるのが、その内容と物語。
「スター・ウォーズ」シリーズ（特にエピソード４〜６の旧三部作）は、映画史に残るような革新的な映像技術を次々に繰り出し、圧倒的な描写力でファンを唸らせたものですが……この映画、そんなエピソード４〜６の世界観を忠実に再現しているのには感心しますが、革新的な部分がほとんど見当たらないのです。
勿論、映画は映像技術だけを見せるものではありませんが、思わず息を呑むような、あるいは圧倒されるようなカットが殆どなかったのはいささか物足りなく感じました。
そして、物語の方は、これはほぼエピソード４の焼き直し、と言う趣。
砂漠の惑星で、敵味方が追い求めるデータを入れたドロイドが主人公の元に来て物語が動き出すのもそうなら、共和国の本拠地惑星を破壊する超兵器を破壊するクライマックスまで、殆ど同じ物語の流れなのです。
Ｊ・Ｊ・エイブラムスは、「スーパー８」と言う「Ｅ．Ｔ」の劣化コピーのような映画を撮っていますが、これも正にそう。
物語の流れは基本エピソード４で、その内容もまたエピソード４の劣化コピーさせたかのよう。場面ごとの設定や、その説得力など、エピソード４にいずれも勝るものではないように感じられました。
親子が敵味方に別れて戦う、と言う設定も然り、クライマックスの敵基地破壊も然り（必然性もないのに、Ｘ−ウィングが溝の中を飛行して目標に向かうシーンまであります）、レイとフィンの姓と出自が明らかにされていないのも見え見えの伏線でしょう。
あの“伝説の戦い”が無意味だったかのような世界設定や、数十億の人々が暮らす新共和国の惑星をあっさり破壊してしまう物語もいまいち納得出来ませんでした。
確かに、３０年後の「スター・ウォーズ」世界の構築、と言う仕事をＪ・Ｊ・エイブラムスが見事にやってのけた事は認めますが……監督交代となる２年後の次作、エピソード８では真の大団円に向けた、正に“新しい”「スター・ウォーズ」を見せてくれる事を期待したいと思います。
（２０１５年 １２月２１日 １０９シネマズ川崎にて）
（作品データ）
■監督
J・J・エイブラムス
■出演
レイ ・・・ デイジー・リドリー
フィン ・・・ ジョン・ボイエガ
ポー・ダメロン ・・・ オスカー・アイザック
ハン・ソロ ・・・ ハリソン・フォード
レイア・オガーナ ・・・ キャリー・フィッシャー
ルーク・スカイウォーカー ・・・ マーク・ハミル
（その他のキャスト）
アダム・ドライヴァー ルピタ・ニョンゴ アンディ・サーキス ドーナル・グリーソン アンソニー・ダニエルズ
マックス・フォン・シドー ピーター・メイヒュー グウェンドリン・クリスティ ケニー・ベイカー ビリー・ロード
サイモン・ペッグ ワーウィック・デイヴィス メイジー・リチャードソン=セラーズ イコ・ウウェイス ティム・ローズ
グレッグ・グランバーグ クリスティーナ・チョン ケン・レオン ジェシカ・ヘンウィック ヤヤン・ルヒアン
マーク・スタンリー キラン・シャー マイク・クイン トーマス・ブロディ=サングスター ダニエル・クレイグ
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