ＳＵＰＥＲ ８
これは、スティーブン・スピルバーグ製作、「クローバーフィールド」のＪ・Ｊ・エイブラムズが監督したＳＦサスペンス。
１９７９年、オハイオ州の小さな町に暮らす１４歳のジョーは、模型造りと映画が好きな少年だった。
夏休みに入り、友人がアマチュア映画コンテストに出すと言う８mm映画の製作は大詰めを迎えていた。
憧れの美少女、アリスを主演女優に迎え、町外れの無人駅で、深夜映画撮影中、通過した貨物列車が線路内に進入したトラックと接触して脱線、転覆。積み荷が爆発する大事故になってしまう。
程なく軍隊が到着、怖くなったジョーたちは慌てて逃げ帰ることに。
そして、この事故から、町では奇妙な事が起き始める。停電が頻発、盗難も相次ぎ、更に飼い犬が逃げ出した。更に、行方不明者が続出し・・・
この映画のＪ・Ｊ・エイブラムズ監督は、１９６６年生まれですから、丁度、スピルバーグの傑作映画をリアルタイムで観て育った世代。
物語の時代が１９７９年、主人公１４歳と言う事は、正にＪ・Ｊ・エイブラムズ監督自身を投影している事に違いありません。
そうであれば、正に「Ｅ．Ｔ．」の現代版のような映画を期待していたのですが・・・この映画、スピルバーグ映画を観て、その影響を受けてはいるのですが、その影響はスタイルだけに留まり、その本質を理解していないように感じられました。
要は、スタイルだけ。
映画設定やスタイリッシュな映像だけを頂戴した、出来の悪い模倣品になっているのです。
その最たる例が、クライマックス。
人間を憎悪し、人狩りをしてそれを喰らうようになった「あれ」に対し、「気持ちは判るよ」と語りかけるだけで気持ちが通じる、としてしまった演出の薄っぺらさ。
スピルバーグだったら、その「気持ちを通じる」為だけに映画の大半を費やしたでしょうし、同様の局面では、あの宮崎駿でさえ主人公に語らせるべき言葉を持ちませんでした。
これで果たして感動させられると思っているのか・・・厳しい言い方をすれば、この映画、スピルバーグ映画から設定だけ借りてリメイクした「クローバーフィールド」と呼んで差し支えないようなものだと思います。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
J・J・エイブラムス
■出演
ジョー ・・・ カイル・チャンドラー
アリス ・・・ エル・ファニング
（その他のキャスト）
ジョエル・コートニー ガブリエル・バッソ ノア・エメリッヒ ロン・エルダード
ライリー・グリフィス ライアン・リー ザック・ミルズ ブルース・グリーンウッド
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僕たちは、ひとりじゃない。
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