「美女と野獣　　ラージスクリーンフォーマット」

　今月一杯で閉館となってしまう新宿・アイマックスシアター。
　その世界最大級のスクリーンを閉館前に一度は観ておきたい、と思って出掛けました。
　そのクロージング作品は、ディズニーの長編アニメ「美女と野獣」。
　長編作品には向かない、とされていたアイマックスですが、一昨年の「ファンタジア２０００」で、情報量が制限されるアニメであれば、９０分越えの長編でもイケる、と言う感触を掴んだディズニーが、アイマックス用に再プリントし直したもの。
　ディズニーは、過去の上映時には、「テンポを崩す」と言うことで絵コンテ段階でカットされていた場面も追加撮影し、また、３５mmフィルムの１０倍もの面積になるアイマックス用フィルムに合わせて２００カットにも及ぶ修正を行ったとのこと。

　映画の内容は既にお馴染みでしょう。
　町一番の美人で、読書が好きな女の子、ベル。ハンサムで野生的なガストンのプロポーズも相手にせず、本の中の物語に夢中になっていた。　ある日、隣町へ出かけたまま戻らない父を探しに深い森へ踏み込んだベルは、大きな屋敷にたどり着く。
　そこは、魔女に呪いをかけられた、醜い”野獣”の屋敷だった・・・
　アニメーション映画で初めてアカデミー賞にノミネートされた、ディズニーアニメの新時代を切り拓いた記念すべき作品。
　それまでの、「子供が観るもの」だったディズニーのアニメーションを、大人も観て楽しめるものとした映画です。

　映画のスタイルは、歌と踊りのミュージカルシーンを挟みながら進行する、ディズニーならではのスタイル。
　でも、そこに展開されるドラマは、これはもう、大人向けと言ってもいいでしょう。
　ベルに気に入られようとする野獣の健気さ。そして、いつの間にかベルを愛するようになりながら、己の醜さから、告白を躊躇う野獣に感じるもどかしさ。
　ラストシーンには、色々と意見もあるでしょうが、それでも感動を与える物語の力量にはあらためて感銘を受けました。

　そして、アイマックス版となった映像ですが、新宿高島屋・タイムズスクエアビルの３フロアをブチ抜いて設置された、巨大スクリーンに映し出される映像は正に圧巻。
　冒頭、野獣となる王子の城が映し出されるシーンでは、スクリーンの中に吸い込まれそうな迫力と臨揚感に、場内から感嘆の声が上がった程。
　また、この映画の最大の見せ場であるダンスシーンは、その美しさと見事さに鳥肌が立ちましたねぇ。

　勿論、いい所ばかりではなく、スクリーンが巨大で視線移動量が大きいですから激しい動きには目がついて行きませんし、何より字幕を出す事が困難なので、日本語吹き替えされたのですが・・・確かに日本語吹き替え自体の出来はよいのですが、やっぱり、ディズニー得意のミュージカルシーン、あれを日本語でやられるのにはちょっと抵抗がありますね。例のダンスシーンも、歌詞が日本語になるだけにちょっと違和感がありました。

　アイマックスは初めて（で、これで見納め）なんですが、予想以上によかったですね。
　このスクリーンで、もっと迫力のあるシーンや、３Ｄ映像を見せられたら凄いだろうなぁ。
　新宿アイマックスシアターは今月で閉館だけど、今度、品川に新たにアイマックスシアターが出来るそうなので、今度はそちらに期待したいです。

　また、ディズニーは、今後、アイマックス版で旧作の再上映をするとのことなので、そちらにも期待。
　個人的には、アイマックス版で「ターザン」をやってくれたら、と思います。
　（尚、出来れば英語版で・・・(^^;）

　（１月１９日　新宿・アイマックスシアターにて）

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