これは、しげの秀一の人気コミック「頭文字［イニシャル］Ｄ」のリブート作品、第二弾。
　
　走り屋チーム「赤城レッドサンズ」の高橋啓介を下したダウンヒルスペシャリスト“秋名のハチロク”の名が走り屋たちの間で広まる中、「妙義ナイトキッズ」のリーダー・中里毅が秋名を訪れた。
　３８０馬力にチューンナップされたＲ３２・ＧＴ−Ｒを持ち込み、“秋名のハチロク”を倒そうと意気込む中里は、池谷らのバイトするスタンドでバトルを申し込む。それを運悪く留守番していたイツキが調子に乗って受けてしまい……

　この第二弾は、中里のＧＴ−Ｒとのバトル、そしてナイトキッズのＮｏ．２・庄司のＥＧ６シビックとの“ガムテープデスマッチ”が描かれます。
　第一作目にあった巧の校内生活などの日常生活の描写や、なつきの登場シーンは減り、２つのバトルを繋いだ構成は正に「闘走」と言うサブタイトルに相応しいものになっています。

　第一作でも走行シーンの再現度の高さには驚きましたが、この２作目でそれは更に進歩。グリップ走行をするＧＴ−Ｒと、派手なドリフト走行のハチロクではコーナーでの体勢が違うのは勿論のこと、ドリフト走行時のスキール音によって走行音も異なるなど、よりリアルに作り込まれています。そうやって描かれる中里のＧＴ−Ｒとの競り合いは迫力十分で見応えがあります。
　ただ、中里のＧＴ−Ｒのペダルカバーは、作品時間的にはオーパーツではないか（Ｒ３４のものなのです）と思ったり、ＥＧ６シビックについても、Ｂ１６エンジン特有の角笛のような咆吼を再現して欲しかった所です。
　この辺りの車種には馴染みがある（Ｒ３２ははらが所有するクルマですし、ＥＧ６は以前購入検討したことがある）ので、そうした細かい所が気になってしまいました。

　それにしても、この物語もかれこれ２０年ほど前の世界。若者がクルマに熱中している様子は現在からすると隔世の感があります。
　この映画、妙に観客層が高かったけど、これは年配の観客には懐かしく思えるけど、現代の若者には最早、ファンタジーと言うと行き過ぎですが、時代劇の一種と受け止められているようが気がします。
　
　三部作の完結編となる第三作目は、高橋凉介のＦＣ３Ｓとのバトルか……公開は来年となる模様ですが、楽しみです。

PS
　エンドロールは峠道の車載カメラ映像で……これに妙にハマってしまい、気分高騰。思わずクルマで峠に出かけたくなったほどでした。
　

　（２０１５年　５月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

日高政光

　■音楽

土橋安騎夫

　■出演

　藤原拓海　・・・　宮野真守

　中里毅　　・・・　諏訪部順一

　高橋啓介　・・・　中村悠一

（その他のキャスト）
　小野大輔　　阪口周平　　白石稔　　内田真礼　　平田広明　　　

　■コピー

　■Ｌｉｎｋ

http://initiald-movie.com/　

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