「オー・ブラザー！」

　週末の土曜日、渋谷で映画なんぞ・・・と思って気楽に行った渋谷パルコ、目当ての「メメント」は、次の回に入ることすら出来ない程の大混雑！・・・ってな訳でパルコを出て、正面のシネクイント、「アメリ」も立ち見だと来たもんだ。
　さて、困ったね。
　と、取り出した携帯電話、ｉモードで映画案内のサイトにアクセス。いや、ホント、便利な世の中になったもんだよね。(^^)
　なに？「オー・ブラザー！」が渋谷シネセゾンで観られるとな。
　時間を見ると、上映まであと２０分、丁度よろしい。
　ってな訳で、「オー・ブラザー！」を観て来ました。

　これは、「ビック・リボウスキ」以来のコーエン兄弟の最新作。
　１９３０年代を舞台にした、コメディ映画です。
　「構想なんと３０００年！」と、コピーにあるので何のことか、と思うと、この映画、原作が何とホメロスの「オデュッセイア」なのです。
　まぁ、確かに主人公の名前はユリシーズだし、盲目の予言者は出てくるし、歌で旅人を惑わす女たちも出てくる、ひとつ目（片目）の巨人に殺されかけたりもするけれど・・・言われなければ判らないよな、そんなこと。(^^;

　映画の舞台は、１９３０年代のアメリカ南部、ミシシッピー州。
　以前強奪して埋めた１２０万ドルがあと数日でダムの底に沈むことを知った囚人、ユリシーズ・エヴェレット・マックギルは、共に鎖で繋がれたピートとデルマーと共に刑務所の強制労働現場より脱走。
　宝物を求めて３人の旅が始まります。
　これは、この３人の旅を描くロードムービーです。

　アメリカ人にとって郷愁を誘うであろうアメリカ南部の穏やかに広がる風景に、明るく、でもどこか物寂しげなカントリーミュージックを合わせたこの映画の雰囲気は独特のもの。
　映画の描写もどこかで見たような感じ（実際、何かの映画の引用かもしれないけれど、ちょっと判りませんでした）で、これらに懐かしさを感じる人にはたまらない魅力があると思います。

　映画は全体にコメディチックで笑える部分が盛りだくさん。
　ちょっと体調が優れなかったせいもあって、のり切れなかったのですけれど、ナンセンスコメディとしては優れものでしょう。
　途中、繋がりの悪い部分や、「あれ？」と首を傾げてしまうような説明不足のシーンもあるのですけど、まぁ、そんな部分はおいといて、笑いながら、そしてカントリーミュージックを愉しみながら観る映画でしょうね。

　（１１月２４日　渋谷・シネセゾンにて）

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