「赤影／RED SHADOW」

　今日は、午前中、ゼファーの調子をみつつヤビツ峠まで走りに行き、その後、ゼファーのサービスマニュアルを探してバイク用品店を回り、暑くて辛抱堪らなくなったので、またまたプールに泳ぎに行ったりして・・・で、また食事の後で映画館に行きました。
　（まーた今日も忙しくしとるな(^^;）

　今日の映画は「赤影／RED SHADOW」。
　３０年くらい前に、横山光輝の漫画を元に作られた子供向け時代劇ＴＶドラマ、「仮面の忍者 赤影」を元に「ＳＦ／サムライフィクション」の中野裕之監督がリメイクしたもの。
　もっとも、リメイクとは言っても内容は全く別物。
　赤影は特徴でもあった仮面をつけていないし、設定や舞台も大きく変えられています。
　これは「ＳＦ／サムライフィクション」同様、時代劇の設定を借りた中野監督のオリジナルドラマと考えるべきでしょう。
　そうやって割り切って見始めると、これはなかなか楽しい映画です。

　古くから伝わる「無敵の鋼」を有する「影一族」。
　一族の若者、赤影、青影、あすかの３人が、一人前の忍びとして認められ、「無敵の鋼」の鎧を受け取る所から物語は始まります。
　
　一番最初の「仕事」は、いろいろとドジを踏むけれど、これは「初仕事」と言う事と理解すればいいのかな・・・と思っていたら、忍び込んだ城には既に先客（別の忍者）が・・・と言う辺りで、実は、これはコメディだったのか、と思い知らされる仕掛け。(^^;
　布袋寅泰の音楽に合わせたテンポのいい展開。ワイヤーアクションやＣＧに頼らず、トランポリンの選手をスタントに起用した、本物の肉体が躍動するアクション。九の一・あすかを演じた麻生久美子のセクシーカット（なにせ、麻生は黒の革のミニスカートに網タイツと言う格好なのだ）と、この辺りはなかなか楽しめます。

　そして、次の仕事として隣国、京極の「秘密兵器」を探る為に城に侵入し、ここで強力な敵、根来忍者と戦う事に。
　ここのアクションは、今度は手に汗握るもの。
　最初の、京極の城のトラップ辺りは笑って見ていられるのですが、敵の忍者が出て来てからは展開が引き締まる感じ。
　根来忍者たちは、それぞれキャラが立っていて、主人公たちよりも印象的なのですが、中でも特に印象的だったのが、藤井フミヤ。
　「遊んで行けョ！」
　の台詞はよかったですねぇ。

　しかし、この後、あすかが死に、京極の権力争いに巻き込まれる形となって物語を追い出すと、途端に失速した感じが強まります。
　やはり、中野監督、ミュージックビデオの出身だけに、物語を追うのは苦手なのでしょうか？
　そこまでの展開に、キレとスピード感があっただけに残念です。

　その後はある意味で普通の時代劇。
　原作の「赤影」には、空飛ぶ円盤からロボットまで出て来ると言う荒唐無稽なものだったのですが、この映画ではそれに近いのは「戦車」程度。
　それも、実はハリボテだった、と言うオチがついて、荒唐無稽とならない程度にセーブしている感じです。

　エピソードとして勿体ないな、と思ったのは、根来忍者たちが京極内部の権力争いの中で擦り潰されてしまう事で、少なくとも藤井フミヤだけは、赤影と決着をつけて欲しかったぞ。

　あれだけ刀を振り回しながら人をとうとう殺さない赤影に、人を殺してしまった事にショックを受けて抜け忍になる青影と、どうにも甘い演出が気にはなりますが、これも史実の戦国時代ではなく、オリジナルの世界と考えれば、まぁ、納得は出来るか、と言う感じ。

　まぁ、いろんな要素を突っ込んであって、その意味では楽しい１本。
　少なくとも「梟の城」よりは面白かったから、これはこれでよし、としたい所です。(^^;

　（８月１７日　ワーナーマイカルシネマズつきみ野にて）

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