スターシップ・トゥルーパーズ
インベイジョン
これは、あの名作ＳＦ「宇宙の戦士」の映画版「スターシップ・トゥルーパーズ」の最新作。
今回は、監督を「ＡＰＰＬＥＳＨＥＥＤ」の荒牧伸志が務め、シリーズ初のオールＣＧアニメになっています。
小惑星上の地球連邦軍要塞がバグの襲撃を受けたとの報に、強襲艦アレジアの機動歩兵たちが生存者救出に向かった。
要塞からの生存者救出には成功したが、襲撃の混乱の中で、政府重鎮のカール大臣が、戦艦ＪＡＷの指揮権を強奪して脱出、艦長のカルメン・イパネスは、アレジアに置き去りにされてしまう。
そして、今や連邦軍の将軍となったジョニー・リコから、脱出後に消息を絶ったＪＡＷ号の追跡を命じられたカルメンは・・・
「宇宙の戦士」と言えば、パワードスーツ（強化戦闘服）を着た「機動歩兵」を生み出した作品として知られていますが、その映画版、「スターシップ・トゥルーパーズ」は、そのパワードスーツが出て来ない事が不満とされて来ました。（第３作目で漸くちょっとだけ登場）
この映画の監督の荒牧伸志もそのひとりで、映画のバグの強さは気に入ったものの、映画「スターシップ・トゥルーパーズ」には不満があった、と言います。
この映画は、そうした不満を解消する為に、パワードスーツを登場させ、パワードスーツを着た機動歩兵と、バグとの戦いを描いたものになっています。
しかし・・・パワードスーツを着ていながら、武器は相変わらず擲弾筒付き小銃が主で、火力の方は強化されておらず、装甲も大したことがない・・・結局、圧倒的なバグの前に、撃ちまくりながらも次々にやられていく、と言う、今までのパターンに終始するとは、一体、何の為のパワードスーツなのやら。
（原作のパワードスーツは、戦車並みの火力を持ち、バグ相手の白兵戦も可能な、“歩く戦車”でしたが・・・）
注目のオールＣＧアニメの映像は、これは恐らく、あの「ファイナルファンタジー」の流れにあるものでしょうけど、モーションキャプチャーにより、動きは自然。
キャラクターも、リアルタイプ３Ｄアニメの定番的なもの。要は、最近のリアルタイプゲームのムービーパートのようなもので、手馴れた感じがあって悪くないのですが、劇場公開出来るクオリティか？と言われると疑問。
「ファイナルファンタジー」からの進歩を感じられない、と言うのが正直なところです。
あと、登場する女性キャラのお色気シーンが多いですね・・・男女共用のロッカールームと言う設定は映画「スターシップ・トゥルーパーズ」からの踏襲ですが、必要以上の脱ぎにシャワーシーン、さらにベッドシーンもあり、結局、女性キャラ全員脱がされますから。
物語は、「スターシップ・トゥルーパーズ」をベースにしたゲームシナリオのようなもの。
その割りに、登場人物が多く、キャラクターにドラマと含みを持たせようとするのですが、あっさり死んでしまうので、ドラマが盛り上がりません。
どうせ、メインはリコとカルメン、それにカールなのですから、この３人を主に、ドラマを掘り下げた方がよかったように思います。
また、第一作にあった、軍行政を思いっきりカリカチュアライズ化して描く風刺色もなく、一本調子になってしまったのも面白くありません。
ひたすら撃ちまくるだけの戦闘シーンにも芸がなく・・・こりゃもう、最大の問題は「コントローラーで操作出来ないこと」と言っていいんじゃないでしょうか？
（２０１２年 ７月２２日 横浜ブルク１３にて）
（作品データ）
■監督
荒牧伸志
■出演
デヴィッド・マトランガ ルーシー・クリスチャン ジャスティン・ドーラン デヴィッド・ウォルド リラルド・アンザルドゥーア
アンドリュー・ラヴ クリス・パットン シェリー・カレン=ブラック サム・ローマン ジョーヴァン・ジャクソン
メリッサ・デイヴィス ジョシュ・グレール カール・グラスマン コーリー・ハーツォグ ケイロブ・マルティネス
エミリー・ネヴェス アダム・ギブス アンディ・マカヴィン
■コピー
総員出撃！ 死ぬまで戦え！
■Ｌｉｎｋ
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