ラブ＆ドラッグ
これは、２００５年に発行されたジェイミー・レイディの「涙と笑いの奮闘記――全米セールスＮｏ．１に輝いた“バイアグラ”セールスマン」と言うノンフィクションを元にした映画。
もっとも、この映画、映画オリジナルの登場人物であるマギーと言う女性とのラブストーリーが中心ですから、映画化と言うよりは設定の参考にした、と言う程度でしょう。
医者の一家に生まれたジェイミーだが、一家の中では落ちこぼれの問題児。医大を中退した後、家電販売店に勤めはしたが、女ったらしの悪癖が出て、店長の愛人に手を出し、クビになってしまった。
そんなジェイミーだが、ツテを頼って大手製薬会社ファイザーのセールスマンとして働くことになる。
歴戦の女ったらしの口説き術で、病院の女性スタッフを口説き落とし、病院に食い込んでいくジェイミー。
そして潜り込んだ病院で、彼は、難病の若年性パーキンソン病で通院するマギーに一目惚れ。果敢なアタックでデートにこぎ着けるのだが・・・
この映画、監督は「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィック。製作も２０世紀ＦＯＸで、主演のジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイはメジャーな俳優なのに、日本では小規模上映。
ＤＶＤスルーになる所を、何とか劇場公開だけして格好をつけた、と言う所でしょうが、これはなかなか面白く、見所満載の映画です。
まず、主演２人の濃厚と言うか、とびきりホットなベッドシーンがたっぷり。
アン・ハサウェイのキャリアからして大丈夫なのか、と思うほどの脱ぎっぷりで・・・これ、Ｒ１５なんですけど、これはもうＲ１８でもいいんじゃないか、と言うような感じです。
また、劇中でＭＲ（Ｍｅｄｉｃａｌ Ｒｅｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｖｅ）と呼ばれる製薬会社のセールスマン、この、一般に馴染みのない職業を主役にしたのも興味深い所。
まぁ、製薬会社の営業と言うのは、正に医療の「裏側」の顔で、何とも生臭い世界なのです。
更に、主人公のジェイミーが扱うのは、最初は向精神薬、そして、後半で登場するのが、あの「バイアグラ」です。
最初、病院関係者にあの手この手で懸命の売り込みをかけていたジェイミーが、受注に生産が追いつかない「バイアグラ」を手中にした途端、立場を逆転させる辺りは、これを原作通りのサラリーマンの出世物語にしたら最高の山場になる所でしょう。
ただ、それだけでは物足りないと思ったのか、この映画は、ラブロマンス、しかも難病メロドラマをも盛り込んで来ました。
これもまた流行なのでしょうか。最近公開された「抱きたいカンケイ」、「ステイ・フレンズ」と、セックスフレンドと割り切った関係の筈が、実は「運命の出会い」だった、と言うのは・・・
そんな関係から、最後にホロリとさせる純愛ドラマに持ち込む辺りは、もうエドワード・ズウィックの力業。
なるほど、確かにエドワード・ズイックだもの、お気軽ラブコメなど撮らないか・・・
（１１月２０日 シネマート新宿にて）
（作品データ）
■監督
エドワード・ズウィック
■出演
ジェイミー・ランドール ・・・ ジェイク・ギレンホール
マギー・マードック ・・・ アン・ハサウェイ
（その他のキャスト）
オリヴァー・ブラッド ハンク・アザリア ジョシュ・ガッド ジル・クレイパーク
ジル・クレイバーグ ピーター・フリードマン ジョージ・シーガル ガブリエル・マクト
ジュディ・グリア キャサリン・ヴィニック
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愚かな僕と 勝ち気な彼女の○●○
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