抱きたいカンケイ
ＮＯ ＳＴＲＩＮＧＳ ＡＴＴＡＣＨＥＤ
これは、「ゴースト・バスターズ」の監督として知られるアイヴァン・ライトマン監督のラブ・コメディ。
テレビドラマの制作現場でＡＤとして働いているアダムは、別れた彼女が自分の父親と同棲していることを知って大ショック。「こうなったら、自分も相手構わずシテやる」と、電話をかけまくるが空振りの連続。ヤケ酒を飲んで、翌朝、目が覚めたときには、素っ裸で見知らない部屋のソファーの上だった。
部屋は病院勤めの若い医師たちがルームシェアしている家。昨夜は、以前から顔なじみの女医のエマを訪ねて来たらしい。
さんざ痴態を晒したアダムは開き直って、朝からエマとセックスしてしまう。
単純なアダムは、これで関係成立と思ったのだが、愛を信じないエマは、多忙を理由に、これからもカラダだけの関係を続けて、どちらかが恋愛感情を抱いたら終りにしようと提案、アダムもそれを受け入れた。
美人で知的なセックス・フレンドを得て、周囲からも羨まれるアダムだが、でも、男と女の関係と言うのは、特にセックスが絡むと、そう簡単に割り切れるものではなかった・・・
最初にセックスしてしまい、恋愛はその次という、昔からよくあるパターンのラブコメディだけど、現代風なのは、これが男女逆転した展開になっていること。
カラダだけの関係を主張し、束縛を嫌い、深い関係にならない為に、相手に別の人とセックスするように、とまで求める。そして、自分はちゃっかり結婚相手がいて、カラダの関係は、結婚までの遊びだ、と・・・
こう言う男と言うのは結構いますが、これを女性側がやってしまうのが、この映画ならではの所でしょうか。
もっとも、ヒロインのエマが、このように「恋愛」を嫌がり、「計算ずくの人間関係」に留まろうとするのか、それには理由があるはずで・・・そこに踏み込まなかった映画は、ちょっと物足りませんでした。
なにせ、アイヴァン・ライトマンが監督し、エマを、アカデミー女優のナタリー・ポートマンが演るんですよ。
それを求めても応えられる力量はあると思うんですけどねぇ・・・
また、この映画、ラブコメディとしても物足りません。
エマ役のナタリー・ポートマンに、アダム役のアシュトン・カッチャーに対し、周りの俳優がどうにも力不足。
エマの許婚者の医者や、アダムの才能を認めた女性プロデューサーの魅力が薄く、どうにもライバル足り得ないのです。
ここで、恋敵が強力だと、観客にも「ひょっとしたら・・・？」と言うハラハラドキドキが生まれるのですが、そこまで行かず、展開が読めてしまうのが辛い所。
アイデアも面白いに、盛り込まれたネタも豊富でありながら、今一歩の所で、凡百のラブコメディに埋没してしまったこの映画。
こうなると、ナタリー・ポートマンの起用が勿体ない・・・
（４月２８日 横浜ブルグ１３にて）
（作品データ）
■監督
アイヴァン・ライトマン
■出演
エマ ・・・ ナタリー・ポートマン
アダム ・・・ アシュトン・カッチャー
（その他のキャスト）
ケイリー・エルウェス ケヴィン・クライン グレタ・ガーウィグ レイク・ベル
オリヴィア・サールビー リュダクリス ミンディ・カリング オフィリア・ラヴィボンド
■コピー
抱きたい、抱かれたい、そんなときだけ。
■Ｌｉｎｋ
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