「トゥルーマンショー」

　「トゥルーマンショー」を観て来ました。

　今年夏、「ゴジラ」を抑えて全米Ｎｏ．１となった話題作。
　監督はピーター・ウィアー、主演はジム・キャリーです。

　その割にはあまり盛り上がっていませんねぇ。(^^;
　上映１０分前に劇場に着くと、付近に人影まばら。
　思わず、係の人に「トゥルーマンショー、ここですか？」って訊いちゃいましたよ。

　・・・一方、とうとう１２月１１日までの上映となった「タイタニック」には相変わらず長蛇の列が出来ていると言うのにねぇ。(^^;
　（ホント、化け物映画だなぁ、「タイタニック」は）

　さて。
　海辺の小さな街、シーヘヴン。
　そこに暮らす保険セールスマン・トゥルーマンは、美しい妻と幼なじみの友人と平和に暮らしていたが、実はその暮らしは「作られたもの」だった・・・と言う、まぁ、ネタ的にはよくある話。
　（短編ＳＦ小説によくある話ですよね。宣伝する程、ネタ的には鮮度を感じませんでした）
　まぁ、それをハリウッドが料理するとどうなるか、お手並み拝見、と言う感じで見に行ったのですが、いやはや、見事なモンです。(*^^*)

　主演のジム・キャリーはどちらかと言うとコメディ俳優の印象が強いのですが、これが、ぴったり。冒頭部分では、正にコメディ仕立てのアメリカンホームドラマまんまの世界に違和感なくハマっています。
　・・・あまりにハマり過ぎて「作り物」めいているのだが、当然、それが狙いなのだろうな。
　（ちなみに、舞台となっている、おもちゃみたいに綺麗な街は、フロリダに実際にある街だそうです。）
　
　しかし、段々、世界の矛盾が目に付き出し、彼の「世界」が正にホームドラマの「スタジオ」であることが明らかになって行きます。
　・・・この辺りは、テンポも手際もいいのだけど、ちょっと描写不足の感じがあります。

　ただし、ジム・キャリーは好演。(^^)
　明るく愉快な好青年は、正に「演技」によるもの。その下に秘められた「苦悩」を見事に演じています。
　成る程ね、この役を演るとしたら、ジム・キャリー以外に考えられないな。

　クライマックスシーンは、コントロールする側を欺き、ひとり海に出たトゥルーマンが、妨害の嵐を乗り越え、「世界」の果ての「壁」に辿り着く所。
　コンクリートの壁を殴りつけ、体当たりする様は、正に檻の中の動物、水槽の中の魚。
　このシーンに、私は何故かじーんとしてしまったのでした。(/_;)

　ラストはその「世界」をトゥルーマンは抜け出し、そこで物語は終わりを告げます。
　しかし、視聴者は、貪欲に「次の番組」を物色する・・・
　そのラストも風刺が利いていてなかなかよし。

　なかなかの傑作とは思いますが・・・来年のオスカーを「プライベート・ライアン」と争うには、ちょっちパワー不足の感も否めませんねぇ。

　（１１月２８日　マイカル本牧シネマズにて）

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