ヘブンズ・ドア
-HEAVEN'S
DOOR-
のこり３日の命。人生の最後くらい、最高のエンディングが欲しくなった。
これは、「鉄コン筋クリート」のマイケル・アリアス監督が、今度は実写映画に挑戦。
難病で余命僅かとなった青年と少女のロードムービーです。
自動車整備工場をクビになった青年・青山勝人。
最近、頻発する頭痛と体調不良に苦しむが勝人が、病院で診断を受けると、脳腫瘍で余命１週間だと告げられる。
入院した病院で、末期癌患者で余命わずかの１４歳の少女・春海と出会った勝人は、一度も海を見たことがないという彼女を連れて病院を抜け出し、クルマを盗んで故郷の海を目指すが・・・
死に直面した２人が、死ぬ前に「やり残したこと」をする旅に出る・・・と言う物語は、「最高の人生の見つけ方」と同じです。
「最高の人生の見つけ方」にも出て来た、「死ぬ前に実行すること」のリストを作るシーンもあります。
これがあまりにも幼稚、と言う声もあるようですが・・・「最高の人生の見つけ方」のジジイ２人のリストも内容は似たようなもので、死に面したら、誰しもそんなものじゃないでしょうか。
勿論、老練の２人に対し、若い２人だからこそ、死に直面した彼らの、まだ生きたいというエネルギーの迸りは時に痛々しいほど。
そのエネルギーに、死さえも恐れないと言う、恐いモノなしの姿勢が加わるのですから、これは「元気な病人だこと」と言われるのも納得。
この、愛情でも友情でもない、最初は価値観さえ共有出来なかった２８歳と１４歳の微妙な関係の２人旅、それだけでも魅力的なものであろうと思うのですが、映画は、これにある企業の汚職事件と、それを追う警察の動きを絡め、そこに２人が深入りしつつ引っかき回す、と言う、ちょいと手の込んだ仕掛けを入れて来ました。
正直、この辺りの展開が上手く機能し切れない感があったのが、惜しい感じ。もうちょっと脚本を練って欲しかったなぁ。
ただ、結構、笑える部分もあるし、監督の映像へのこだわりも楽しめます。
雰囲気があり、奇妙にさっぱりとした余韻を残すエンディングもよかったです。
（２月７日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
マイケル・アリアス
■出演
青山勝人 ・・・ 長瀬智也
白石春海 ・・・ 福田麻由子
（その他のキャスト）
長塚圭史 大倉孝二 和田聰宏 黄川田将也 Ｓａｃｈｉ
霧島れいか 北見敏之 不破万作 徳井優 井田國彦
柄本佑 今宿麻美 諏訪太朗 吉野由志子 桃生亜希子
納谷六朗 谷津勲 川口真五 田中栄子 淺川稚広
岡田幸樹 二宮和也 吉村由美 土屋アンナ 阿部和代
薬師丸ひろ子 田中泯 三浦友和
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