スピード
レーサー
これは、タツノコプロダクションの傑作アニメ「マッハＧｏＧｏＧｏ」を、「マトリックス」三部作のウォシャウスキー兄弟が映画化したもの。
（ちなみに「スピード・レーサー」は、オリジナルのアメリカ放送時のタイトルです）
ウォシャウスキー兄弟は、監督は「マトリックス」以来の新作になるんですね。
主演はエミール・ハーシュ、ヒロインは、最近、いい女ぶりの増して来た感のあるクリスティーナ・リッチ。両親役にはジョン・グッドマンとスーザン・サランドンと、これはなかなか豪華キャストです。
レーシングカーの設計者を父に持ち、レーサーとして活躍するレックスを兄に持つスピードは、幼い頃からレースのことだけしか頭になかった。
やがて、兄の事故死という悲劇を乗り越えた家族に支えられ、スピードは、兄のようなレーシングドライバーへ成長。地元サーキットで優勝を飾る。
若きヒーローの登場に、早速、大企業オーナーからのスポンサーの申し出があったが・・・
この映画、一応、人間の俳優を使いながら、その映像は、実写と３Ｄ・ＣＧアニメをブレンドしたようなトリッキーなもの。
画面から溢れんばかりの極才色の色彩。光の洪水が生み出す、煌めくような世界。目がついていかない程の凄まじいスピード感と、音楽、サウンドによるトリップ感覚・・・この、今までにない、新しい映像感覚。
なるほど、「マトリックス」で一世風靡したウォシャウスキー兄弟らしい映画です。
走行中のクルマの動きは、ほぼ完全にＣＧで表現されています。
その動きは、まるでアニメ・・・と言うか、ほとんどマンガの世界。”自動車”の動いているダイナミック感はありません。全体的におもちゃっぽく、まるで「ミニ４駆」が走っているような感じです。
勿論、やろうと思えばいくらでもリアルに出来る訳で、これはそう言う狙いでやっているのでしょう。
マッハ号に仕組まれた、ジャンプ用ジャッキ、回転丸ノコギリや、偵察メカのギズモなどのギミックも健在です。
物語は、時代を経ても変わらない家族愛。オリジナルを知る人には懐かしく、知らない子供達にも楽しめる映画でしょう。
ただ、これを１本の映画と見ると、物語的にはちょっと物足りないかな・・・
あと、映画内で繰り返し使われ、エンディングにも使われている越部信義によるテーマ曲、これが何ともカッコよいこと。映画観終わった後も、暫く耳に残ります。
「マトリックス」がそうであったように、この映画の映像感覚は、かなり強烈。これは、また多くの追随者を生むのではないでしょうか。
（７月１１日 ＴＯＨＯシネマズ海老名にて）
（作品データ）
■監督
アンディ・ウォシャウスキー ／ ラリー・ウォシャウスキー
■出演
スピード・レーサー ・・・ エミール・ハーシュ
トリクシー ・・・ クリスティーナ・リッチ
（その他のキャスト）
ジョン・グッドマン スーザン・サランドン マシュー・フォックス ロジャー・アラム
ベンノ・フュルマン 真田広之 RAIN リチャード・ラウンドトゥリー キック・ガリー
モーリッツ・ブライブトロイ
■コピー
信じたゴールへまっしぐら。彼の走りが、世界を変える──！
■Ｌｉｎｋ
［戻る］