ベオウルフ
呪われし勇者
これは英国の古典叙事詩を、ロバート・ゼメキスが映画化したもの。
物語の舞台となるのは古代デンマーク。
巨人グレンデル退治を呼びかける国王フロースガールに応え、海を越えてデンマークへとやってきた”伝説の海賊”ベオウルフ。
彼は、見事にその役目を果たしたもの、巨人退治の宴の後、何者かに部下を皆殺しにされてしまう。それは、グレンデルの母の仕業だった。
ベオウルフは部下の復讐の為、グレンデルの母の住処である洞穴に乗り込むのだが・・・
元々の叙事詩「ベオウルフ」は、多くのファンタジーに影響を与えたもので、過去に映画化もされています。
が、今回の映画は、ちょっと特異なものでしょう。
ファンタジー世界をＣＧで構築するのは最早珍しい手法ではなくなって来ましたが、この映画では、俳優の演技までをキャプチャー、ＣＧで作り上げられた世界の中を、俳優を元にしたＣＧのキャラクターが動き回る、と言う、一種のオールＣＧアニメになっています。
これ、製作にＳＯＮＹが加わっていると言う事は、あの「ファイナルファンタジー」を作った技術が使われていると言うこと。
しかし、あれから６年も経つと言うのに・・・映画冒頭から、重量感を感じさせない、もろＣＧ丸出しの動きに幻滅します。
確かに、入念なモーションキャプチャーを行った、主要なキャラクターの動きはよく、確かに唸らされる出来映えのシーンもありますが、大きな進歩が見られないのは残念に思いました。
確かに、この取り組みは画期的なもので、映画と言う表現の可能性を大きく変えるものだと思います。
効率化もそうです（この映画、俳優の拘束時間が非常に短かったそうです）し、俳優の年齢や体格を自由に変えられるのもいいでしょう。
（回想シーンなどで年齢が変わる時など、活用はいくらでも出来そうです）
いずれは、映画そのものを大きく変える可能性のある技術ですが、まだまだ、と言う所でしょうか。
（１２月８日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
ロバート・ゼメキス
■出演
ベオウルフ ・・・ レイ・ウィンストン
（その他のキャスト）
アンソニー・ホプキンス ジョン・マルコヴィッチ ロビン・ライト・ペン
ブレンダン・グリーソン クリスピン・グローヴァー アリソン・ローマン
アンジェリーナ・ジョリー
■コピー
この誘惑が、世界をもてあそぶ。
■Ｌｉｎｋ
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