ボーン・アルティメイタム
これは、記憶を失った暗殺者、ジェイソン・ボーンを巡るドラマの三作目で、完結編。
マリーの死後、逃亡を続けながら、自らの過去の秘密を探るジェイソン・ボーン。
ある日、ロンドンの新聞記者が、ボーンとＣＩＡの極秘計画”ブラックブライアー”に関する記事を掲載。彼はその記者と接触を試みる。が、機密漏洩ルートを追うＣＩＡもその記者をマークしていた・・・
入念なリサーチによって裏打ちされたリアルな描写、繰り出される頭脳戦と肉弾戦、追跡と逃亡のサスペンスは相変わらず一級品。
手を変え品を変え、マンネリを感じさせないアクションシーンの出来のよさもあり、エンテーテイメントとしての完成度は高いです。
これで３作目となるものの、作を重ねても魅力を損じる所か、ますます面白くなっていった希有なシリーズ作と言えるでしょう。
しかし、第三作目に至って、体と心の痛みを感じる人間としての主人公を、不死身のスーパーヒーローにしてしまった感があるのは、ちょっと不満。
アクションもいささか派手に過ぎ、せっかくのリアリズムを欠いてるように思いました。
さすがに、あれじゃ死ぬか大怪我するでしょう、と言う局面が幾度もありました。
ラストシーンも・・・第１作の冒頭シーンと絡めて面白いとは思うものの、あれはなぁ・・・
まぁ、こうした所を指摘してしまいたくなるのも、血の通った存在としてのジェイソン・ボーンをリアルに感じる事が出来たから。
その意味でも、これは稀有なシリーズだと思います。
（１１月１５日 ＷＭＣ海老名にて）
（作品データ）
■監督
ポール・グリーングラス
■出演
ジェイソン・ボーン ・・・ マット・デイモン
パメラ・ランディ ・・・ ジョーン・アレン
（その他のキャスト）
ジュリア・スタイルズ デヴィッド・ストラザーン スコット・グレン パディ・コンシダイン
エドガー・ラミレス ジョーイ・アンサー コリン・スティントン アルバート・フィニー
ダニエル・ブリュール
■コピー
彼<ボーン>が「記憶」を取り戻すとき 最後通告<アルティメイタム>が下される。
■Ｌｉｎｋ
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