００７
カジノ・ロワイヤル
２００２年の「ダイ・アナザー・デイ」以来、４年ぶりの「００７」シリーズ最新作。
ジェームズ・ボンド役は、ピアーズ・ブロスナンからダニエル・クレイグに交代。このシリーズとしては、彼が６代目のボンド役者になります。
原作のイアン・フレミングによる小説「カジノ・ロワイヤル」は、実は「００７」シリーズの第１作目。それがなぜ今まで映画化されなかったかと言うと、それは、この小説の映画化権が別に売れてしまっていたからです。
「カジノ・ロワイヤル」１９６７年に映画化されているけれど、映画内容は原作とは離れ、「００７」とは何の関係もないスパイ映画のパロディとなってしまいました。
その意味では、今回の映画はリメイクと言えるかもしれません。
この映画は、ジェームズ・ボンドが”００７”になるまでの物語です。
英国情報部・ＭＩ６の”００”へと昇格を果たしたジェームズ・ボンド。
テロリストの資金源となっている謎の人物を追う任務を与えられた彼は、やがて死の商人ル・シッフルがその正体だと突き止める。そして、彼がテロ行為による株価操作の失敗による巨額損失をカジノ・ロワイヤル」のポーカーで取り返そうとしていると知ったボンドは・・・
最近、アクション映画と言えば、ＶＦＸを多用した派手な画面と、カンフー映画紛いのスピーディーなドツキ合い、と言うのが定番メニューだけど、この映画はちょっと違います。
「００７」シリーズの第１作に戻って、全てをリセットし、「これぞ００７」とでも言うべき、見事なスパイ映画になっています。
その主役を務めるのはダニエル・クレイグ。
今までのジェームズ・ボンド役が身にまとっていた、エレガントさの希薄な、無骨な感じですが、軍人上がりの情報部員、と言う、ジェームズ・ボンドと言う人物にはある意味、似合っているのかも知れません。
そんな彼が演じるボンドは、冒頭で、”００”ナンバーへ昇格する為の任務にあっさり成功し、”００”ナンバーへの昇格を果たしてしまい、あれ？、と思わせるのですが・・・なるほど、”００”ナンバーになったからと言えども、お馴染みの「００７」になった訳ではない、と言う事ですか。
そうして、映画は、ジェームズ・ボンドがその最初の任務を通して、”００７”になるまでを描いて行きます。
映画のラスト、お馴染みのテーマ曲が漸く聞こえて来た時、そこに立っていたのは紛れもない「００７」でした。
これは見事なリセット、見事な主役交代。
前作、「ダイ・アナザー・デイ」の時に感じられた時代錯誤な感じも消え、２１世紀の「００７」シリーズのリスタートとしては、上々の出来映えだと思います。
（１２月４日 ＴＯＨＯシネマズ川崎にて）
（作品データ）
■監督
マーティン・キャンベル
■出演
ジェームズ・ボンド ・・・ ダニエル・クレイグ
ヴェスパー・リンド ・・・ エヴァ・グリーン
”Ｍ” ・・・ ジュディ・デンチ
（その他のキャスト）
マッツ・ミケルセン ジェフリー・ライト ジャンカルロ・ジャンニーニ
カテリーナ・ムリーノ サイモン・アブカリアン セバスチャン・フォーカン
イェスパー・クリステンセン イヴァナ・ミリセヴィッチ トビアス・メンジース
ツァイ・チン ラザー・リトリフスキー ウルバノ・バルベリーニ チャーリー・レヴィ・レロイ
■コピー
最初の任務は、自分の愛を殺すこと。
■Ｌｉｎｋ
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