ダスト・トゥ・グローリー

　これは、「ステップ・イントゥ・リキッド」のデイナ・ブラウンが、バハ１０００マイルレースを追いかけたドキュメンタリー映画。

　”バハ１０００”は、メキシコのバハ・カリフォルニア半島に設けられた１０００マイル（約１６００km）に及ぶコースをノンストップで駆け抜けるレースです。
　コースの大半はオフロードで、一部、舗装された公道を走る区間もありますが、基本的にはメキシコ特有のサボテンが生えている大自然の砂漠を走る事になります。
　このコースを、トップクラスの２輪は１６時間以内に走り切ってしまう・・・と言う事は、その平均時速は１００km/h以上ですから、その異常さが判ろうと言うものです。

　このレースを、デイナ・ブラウンは「ステップ・イントゥ・リキッド」同様、ダイナミックな映像と、関係者へのインタビューで、描き出そうとしています。

　ただ、この構成は功罪半ばで、レースに取り組む人々の生き様を描き出す、と言う部分は成功していると思うのですが、レースの展開を追うのには適さないやり方だったかな、と。
　また、映画が描くターゲットを絞り切れてない感があり、感情移入が出来なかったのがちょっと残念でした。

　それでも、レースに情熱を燃やす人々の織りなす人間模様には、いろいろ感じさせてくれるものがありましたし、ゴールシーンは、さすがに感動。
　これで、あとちょっと、があればよかったのになぁ・・・

　（８月１７日　シアターＮ渋谷にて）

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