Ｓｈａｌｌ　ｗｅ　Ｄａｎｃｅ？
シャル・ウィ・ダンス？

　Ｇ．Ｗ初日、休日出勤した後、オイル交換をして時計を見ると・・・つきみ野で「Ｓｈａｌｌ　Ｗｅ　Ｄａｎｃｅ？」に間に合うかな？
　休日だし、混雑していたら間に合わないな、と思ったのですが、この日は渋滞にはまる事なくつきみ野まで到着出来、余裕を持って劇場へ向かう事が出来ました。

　これは、周防正行監督の「Ｓｈａｌｌ　Ｗｅ　ダンス？」をアメリカでリメイクしたもの。
　主演はリチャード・ギアとジェニファー・ロペス。
　監督は「マイ・フレンド・メモリー」のピーター・チェルソムです。

　映画の舞台はシカゴ。
　主人公のジョンは、遺言作成を主とする弁護士。郊外の一戸建ての家で、妻と子供達と共に暮らしている。
　特にこれと言った不満もない、傍目には幸せな毎日。でも、彼はどこか虚しさを感じていた。
　そんなある日、通勤電車から外を眺めていた彼は、ダンス教室の窓際に佇むひとりの女性の姿に気付いて・・・

　実は、はらはオリジナルの「Ｓｈａｌｌ　Ｗｅ　ダンス？」を観ていないのだけど、この映画、面白く出来ていると思いました。
　これで、オリジナルにほぼ忠実にリメイクされていると言うけれど、確かにリメイクしたくなる魅力的なストーリーである事は納得です。

　勿論、オリジナルにあったであろう、社交ダンスという、日本人の日常からはいささか縁遠い”西欧文化”が入り込んでくる面白さは消されているのでしょうけど、主人公を弁護士と言う、アメリカ社会における、いわば”勝ち組”にする事で、「自分は成功者なのだから、不幸せであるなんて思う事は恥ずかしい事だ」と言う倫理観で、家族にも周囲にもダンスを習っている事を伏せている、と改変し、その設定を終盤、夫婦関係の見直しに繋げていく辺り、よく練られた、出来のいいストーリーに仕立て直している印象です。

　キャスティングは、オリジナルキャストのイメージを重視している、とのこと。
　主演のリチャード・ギヤは、確かにイメージとしては近い感じ。
　ただ、さすがはハリウッド・スター、びしっと決めると格好いいんですよねぇ。
　タキシード姿でバラを一輪手に、妻を迎えに行く姿、惚れ惚れする程格好がいいです。
　あと、オリジナルで竹中直人が演じた役を、スタンリー・トゥッチが演じているんですけど・・・これは、オリジナルを越えたハマりっぷりかも。
　スタンリー・トゥッチは、堅物のイメージがあるので、そんな彼が変装して、ノリノリでラテン・ダンスを踊る、そのギャップの大きさが面白かったです。
　（竹中直人では、元々弾けたイメージがあるので・・・(^^;）
　ただ、ジェニファー・ロペスはなぁ・・・社交ダンスを踊るにはいささかお色気過剰ではないでしょうか？
　（まぁ、確かに目の保養にはなるのですが）
　ミスキャストとまでは言わないまでも、オリジナルキャストとはちょっとイメージが違うかなぁ、と思いました。

　元々の映画が持っていた、ダンスを巡る群像劇、と言う骨格はそのままなのですが、オリジナルに対し、かなり切り詰められた上映時間のせいか、周辺人物に対する掘り下げが不十分なのも物足りない所。
　（エンドタイトルでフォローを入れていましたが）
　最近の映画としては、上映時間は短い部類ですから、もう少し長くしても、もっとドラマを見せて欲しかったような・・・

　まぁ、そう思わせるのも、物語に力がある証拠。
　魅力ある物語を、手堅く仕上げて来たこの映画、リメイク作品として、ほんとよく出来ていると思います。

　（４月２９日　ＷＭＣつきみ野にて）

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