ハイド・アンド・シーク
暗闇の隠れんぼ

　これは、名優、ロバート・デ・ニーロと、天才子役、ダコタ・ファニングによる”感動スリラー”。
　アメリカでは公開時、わざわざ警備会社を使って最終リールを直接各劇場に配給したという、その”衝撃の結末”が話題の映画ですが・・・

　心理学者のデビッドは、ある夜、妻が自殺しているのを見つけた。それを目撃した娘のエミリーは、その衝撃で心を閉ざしてしまう。
　デビッドは娘の心の傷をいやそうと、郊外の一軒家に移り住んだ。
　しかし、エミリーはチャーリーという名前の“友達”と遊ぶようになり、やがて、奇妙な事件がデビッドの周囲で起きるようになる・・・

　この映画、「シックス・センス」をしのぐ恐怖と感動・・・との触れ込みだけど、感動するような場面はなく、クライマックスの「種明かし」による一発芸が売りとなる映画。
　まぁ、”一発芸”映画と言う意味では、確かに「シックス・センス」と同類ですけど・・・(^^;

　この”一発芸”を終盤まで引っ張り、それを演出で補おうとしたせいか、展開上、わざとらしい部分も散見され、映画としての完成度はいまひとつの印象。
　また、終盤の”隠れんぼ”シーンは、完全に蛇足。
　やはり、「種明かし」を最大のクライマックスにして、綺麗に締めて欲しかった所です。
　それが出来ていれば、まずまずのサイコ・サスペンスになったと思うのですが・・・
　（まぁ、それが出来ないのがシャマラン監督との差でしょうか）

　とはいえ、デ・ニーロの演技はさすがだし、そのデ・ニーロを喰いそうなダコタ・ファニングは正に天才。
　今までにない、暗く沈んだ彼女の演技を観るだけでも、この映画の価値はありそうです。
　その他、ファムケ・ヤンセン、エリザベス・シューと、女優陣はなかなかの豪華キャストになっています。

　”一発芸”映画だけど、この映画、エピローグにもうひとつ、ぞくりとさせるネタを仕込んでいます。
　まぁ、それもこの手の映画としてはありがちなものではあるのですが・・・
　（エンディングは、実は更に過激なアナザー・バージョンもあるらしい？）

　（ＴＯＨＯシネマズ海老名にて）

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