コンスタンティン
ＣＯＮＳＴＡＮＴｉＮＥ

　これは、キアヌ・リーブスが悪魔払いを演じる現代版「エクソシスト」。
　原作はコミックで、原題は「ヘルブレイザー」なんだけど、映画「ヘルレイザー」と紛らわしいので、映画は主人公の名前をタイトルにしたらしいです。

　物語の主人公は、少年時代の自殺未遂によって、たった２分間だけ”あの世”を見た男、ジョン・コンスタンティン。
　彼は、その罪を贖うために、天国と地獄のエージェントとなり、ルールを破って、この世に侵入する悪魔を地獄へ追い返す生業をしていた・・・

　この映画で描かれる世界は、日本人（と言うか、非キリスト教文化圏）には、ちょっと馴染み難いかもしれません。
　天国と地獄、そして、この世は”煉獄”である、と言う世界観、そして、自殺は地獄に落とされる大罪である、と言う倫理観。
　これらを背景に、天使と悪魔、そして地獄を最新技術を用いたビジュアルで描き出すのですが、この世界観を自然なものとして受け入れないと、この映画、違和感を感じるかもしれません。

　監督のフランシス・ローレンスは、ＭＴＶ出身で、これが映画デビュー作。
　いかにもＭＴＶ出身らしく、独特のセンスを感じさせるビジュアルを見せますが、決してそればかりに頼る事なく、俳優の存在感と演技をしっかり見せる辺りは好印象。

　主演のキアヌは、肺ガンを病んでいると言う、コンスタンティンを演じる為に減量をするなど、役作りには気合い充分。
　決して正統派のヒーローではない役柄ですが、なかなかの存在感だったのではないでしょうか？
　ヒロイン役のレイチェル・ワイズも魅力的です。

　クライマックスの展開は、サタンの息子を倒したと思ったら、天使ガブリエルが登場、次にはサタン、そして遂に・・・と次々により強者が登場するのですが・・・その間、主人公のコンスタンティンは、半死半生と言う締まらない展開。
　主人公が活躍せず、どうにもカタルシスを感じようがないクライマックスになってしまったのは、ちょっと残念。
　しかも、クライマックスのあのシーンは、「マトリックス　レボリューションズ」のまんまですからねぇ・・・
　
　ラストも含め、続編を意識した感じですが・・・このキャラクターでシリーズ化するのは、ちょっと辛いかなぁ・・・

　（４月２２日　ＴＯＨＯシネマズ海老名にて）

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