オーシャンズ１２

　月曜日、仕事で東京に外出。仕事は案外早く済んだので、帰りに寄り道して、１９０シネマズＭＭで、「オーシャンズ１２」を観て来ました。

　これは、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットら豪華キャストを集めて製作された「オーシャンズ１１」の続編。
　監督は、前作と同じくスティーブン・ソダーバーグ監督。

　１１人の仲間たちと共に、カジノ王ベネディクトの金庫から大金を盗み出したダニー・オーシャンの妻、テスの元へ、ベネディクトが現れた。
　彼は、どうやってかオーシャンたちの居場所を突き止め、全員に利息付きの返金を要求する。返済できない場合は殺すという最終警告だ。
　命あっての物種とあって、オーシャンたちは新たな仕事をして金をかき集めようとする。
　しかし、アメリカ国内ではさすがにアシがつく。そこで、ヨーロッパで一仕事を企むオーシャンたちだが・・・

　今回の映画は前回のスタッフ・キャストがそのまま引き継がれた正統派の続編で、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズやヴァンサン・カッセルなどが新たに加わってキャストはより豪華になっています。
　更に、大物スターが本人役で登場するカメオ出演もあり、そうした”遊び”も楽しめるでしょう。
　また、ラスベガスを舞台としていた前作に対し、アメリカからヨーロッパへ飛ぶ今回の映画は、舞台も広がり、更に豪華になりました。
　
　前回同様テンポのいい展開と、センスのいい演出は、さすがソダーバーグ監督、この映画の美点ではあるけれど、トリックの詳細や整合性などそっちのけにしているのは犯罪映画としては物足りない感じ。
　この辺り、登場人物の個性や特技、そして”仕事”の組立をじっくりと見せた前作に対し、いまいちだなぁ、と思わせる所です。
　また、「盗み」の動機が「金を返せと言われたから」と言うのも、ちょっとなぁ・・・と言う所。
　この映画、どうにも犯罪映画としては締まりがなく、ぬるい感じです。

　もっとも、今回の映画は、盗みのテクニックやチームワークの面白さを見せるものではなく、豪華なキャストや、そんな俳優たちによる悪ふざけギリギリのコミカルな芝居を見せる映画なのでしょう。
　洒落たセリフや、ソダーバーグ監督ならではの遊びのある映像はそれだけでも楽しめますし、豪華キャストが久々に顔を揃えた、俳優たちの同窓会のような雰囲気と、楽屋落ちのような笑いのシーンも、これはこれで悪くない感じ。

　楽しい映画だけど、これは前作以上に軽い出来。
　まぁ、それだけ娯楽作品としてはよく出来ている、と言うことかも知れませんが、見応えのある映画ではありません。

　（１月３１日　１０９シネマズＭＭにて）

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