ベルヴィル・ランデブー

　「岸辺のふたり」をモーニングショーで観た後、引き続いて同じテアトルタイムズスクエアで「ベルヴィル・ランデブー」を観ました。

　「ベルヴィル・ランデブー」は、フランスのシルヴァン・ショメ監督による、長編アニメ。
　これも、２００３年のアカデミー賞２部門ノミネートされ、各国でさまざまな映画賞を総なめにしているとのこと。

　孫のシャンピニオンと暮らすおばあちゃん。
　内気だったシャンピニオンに三輪車を買い与えたのがきっかけで、自転車に夢中になったシャンピニオンは、成人してツール・ド・フランスに出場するまでになった。
　ところが、そのツール・ド・フランスで、シャンピニオンは何者かに誘拐されてしまう。
　シャンピニオンの行方を探し、海に出たおばあちゃんは、やがて大都市、ベルヴィルに辿り着く・・・

　グロテスク寸前にまでデフォルメされた人物。
　銅版画のような美術。
　それに個性的な音楽（歌詞の方も韻を踏んだ凝ったもの）を乗せ、独自の世界を作り出しています。
　
　この映画も、最近のアニメーションの例に漏れず、ＣＧを多用してはいるのですが・・・あくまでも２Ｄに拘り、独特の質感とアニメーションならではの自由な表現力でもって、妙にノスタルジックな感じを出しているのは確かに面白い。
　リミテッドアニメを極めた日本のアニメや、最近では３Ｄ一辺倒になりつつあるアメリカのアニメとも違う、これもまたアニメーション表現の可能性のひとつでしょう。
　
　ただ、映画としてはテンポがどうにもかったるく、終盤の追いかけっこも緊迫感に欠け、正直、楽しめたとは言えません。
　
　まぁ、劇場では笑い声も結構上がっていましたし、終わった後、「面白かった」と言う声もありましたので、楽しめる映画ではあるようですが・・・はらとしてはちょっとツボを外されたような感じで、ちょっと残念。

　（１月４日　テアトルタイムズスクエアにて）

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