岸辺のふたり

　今日は、新宿のテアトルタイムズスクエアまで、映画を観に行きました。
　映画は、「岸辺のふたり」、それに「ベルヴィル・ランデブー」と言う、欧州のアニメ２作品。

　まずは、「岸辺のふたり」から。
　これは、オランダのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督による短編作品。２００１年アカデミー賞短編アニメーション賞受賞作です。
　８分と言う短い上映時間の為、今まで映画館で上映される事がなかったのですが、この作品を支持する人の強い要望により、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の短編２作を加えての今回の上映となりました。
　
　ある日、ボートを漕いで、どこかへ行ってしまったまま戻らなくなった父。
　娘は別れた岸辺を訪れ、父を待ち続ける・・・

　この物語を、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は木炭画のようなタッチで描き出して行きます。
　夕暮れ時のようなコントラストの強い映像、そして、思いっきり単純化された線で描かれているのにも関わらず、その人物の動きは美しく、そして情感に溢れています。

　短い時間、しかも台詞が全くないのにも関わらす、登場人物の心情を天候で、そして、人生を季節で現し、映像で映し出す以上の物語を観客に感じさせる内容も見事ですし、先に挙げたように、美しくも情感に溢れた（これ、アニメーションとしては恐ろしく手間がかかっていると思います）絵も素晴らしく、アニメーションの表現の可能性を感じさせるものでした。

　（１月４日　テアトルタイムズスクエアにて）

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