トルク

　日曜日、バイクにクルマにミーティング・・・と、忙しく過ごしたせいで、疲れが残った月曜。
　さすがに、残業時間になると集中力が続かない状態で・・・こんな状態では仕事にならん、と（しかも、定時退社日だし(^^;）、早めに仕事を切り上げ、友人と映画「トルク」を観に行く事にしました。
　
　これは、大排気量バイクによる派手なアクションがウリの、二輪版の「ワイルドスピード」とでも言う映画。
　監督は、ミュージックビデオの演出家として活躍してきたジョセフ・カーンで、これが、劇場映画としてはデビュー作。
　最初から最後まで映像センスだけを前面に押し出し、１時間半の上映時間を猛スピードすっ飛ばそうというと言う狙いは判るのだけど・・・

　麻薬密売の容疑をかけられ、警察に追われていたフォードが、町へと戻ってきた。
　恋人シェーンとの再開を果たすも、彼をハメたバイカーのリーダー、ヘンリーが彼の前に姿を現し・・・と言う物語の展開を紹介すれば判るように、こりゃ、西部劇の馬をバイクに替えただけの映画だなぁ。
　無実の罪を背負って町から姿を消していた男が、ふらり町に戻ってくるという導入部がそうだし、そうして、主人公のいぬ間に町を牛耳るようになったワルと対決する、と言う構図もそう。
　まぁ、アクションと映像がウリの映画だから、物語は単純に、と言う狙いは判るけど・・・この脚本はあまりに古臭い上に、出来が悪すぎます。
　（「ワイルドスピード」も誉められたものではなかったけど、ここまでは･･･）

　その分、映像で楽しませてくれればよかったのだけど、観ていて痛快になるのは、冒頭、ワインディングを３台で連なって走るシーンくらい。
　物語中盤以降は追いかけっこの連続になるのだけど、その多くのシーンがオフロード走行になってしまっています。
　勿論、映画に登場する大排気量のロードバイクがオフロードを走れる訳もなく、オフロード車をそれらしく改造したもので走るのだけど、オフ車の運動性を失ったオンロード車もどきが、もたもた走るシーンを観ても・・・面白くないぞ。(-_-;)
　（この辺り、オフロードを走って逃げるのだから、最初っからオフロード車を用意しておくとか、脚本でもう少し工夫の余地はあると思うのだけど）

　クライマックスに登場する、世界最速のバイク、「Ｙ２Ｋ」にしたって、あまりに勿体ない使い方。
　ＣＧ見え見えの映像にもがっくり来てしまいました。
　これだって、クライマックスの舞台をソルトフラットにするなどして、「Ｙ２Ｋ」の実走シーンを見せるとか、やりようはあった筈。
　（「Ｙ２Ｋ」の実走シーンと、車載カメラ映像だったら、それだけでも、金払って観る価値があろうと言うもの）

　「ワイルドスピード」に続く、アメリカの若者文化を取り入れた映画、段々、面白くなくなってくるなぁ。
　（見せ方次第で、幾らでも面白く出来そうなのだけど・・・）

　・・・まぁ、疲れた頭には、こうした、何も考えずに観られる映画はよかったけどね。(^^;
　もうちょっと、楽しめるようにして欲しかった、と言うのが正直な所。

　（１０月２５日　ＭＯＶＩＸ本牧にて）

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