スパイダーマン ２

　月曜の定時日・・・と言っても、最近は早く帰れない事も多いのですが、この日も結局７時過ぎまで仕事して、それから（でも、勿論いつもより早い）ＷＭＣ海老名へ映画を観に行きました。

　映画は、「スパイダーマン２」。
　マーヴル社のお馴染みのヒーロー、「スパイダーマン」の映画続編です。
　サム・ライミ監督他、主要キャストは勿論そのまま。
　オープニングで、前作の物語を、コミックスの絵柄と実際の映像で手際よく説明し、物語は、前作より２年後のＮＹを舞台に始まります。

　スパイダーマンになってから２年。
　バイトを続けながら大学に通うピーターだけど、スパイダーマンとして働く為に、バイトは次々にクビになり、大学も遅刻の連続。
　住んでいるボロアパートの家賃にも事欠く有様だ。
　一方、メリー・ジェーンは、女優として成功し、注目を集めるようになっており、徐々にピーターとは疎遠になっていた。
　そんな中、親友・ハリーが支援するオクタビアス博士の核融合実験で事故が発生、これが思わぬ事件を生む事になる・・・

　話題の映画の続編と言うのは難しいと思うのですが、この映画はなかなか健闘。
　スパイダーマンの能力自体は前作と変わらず、ビルの谷間を行く、その躍動感にも目新しさはないのですが、様々に工夫を凝らしたアクションとビジュアル、魅力的な敵役、それに物語自体の力によって、なかなか見応えのある映画になっています。
　また、いかにもサム・ライミ監督らしい遊びも効いていますね。
　スパイダーマンのテーマも効果的に使われていますし、コスチュームを選択したら色落ちしてしまって・・・と言うような小ネタでも楽しませてくれます。

　ただ、この物語、前作に対して、ちょっと小さくなってしまった感じを受けました。
　「力を持つ者の責任と義務」と言う、大きなテーマを掲げた前作に対し、今回、「何故、戦うのか？」と言う所を、ピーターのＭＪに対する愛、としてしまったように見えるのです。
　スパイダーマンと、社会人としての日常の両立に悩み、スパイダーマンになる事を捨てたピーター。
　ＮＹの犯罪発生率の高まり、ヒーローを望む人々の声・・・それがピーターを動かしたのではなく、ただ、ＭＪの命を救う為にスパイダーマンが復活する、と言うのはどうかなぁ・・・と。
　（まぁ、サム・ライミ監督らしくはありますね）
　もっとも、物語を小さくした事で、ピーターの苦悩、そして決意が判りやすく描かれているのは確かですし、観ている人にとって共感を覚える物語になっているとは言えるのですが。

　ピーターを演じるトビー・マクガイアは、これはいい感じです。
　スパイダーマンになっている時の凛々しさに対する、日常生活でのドン臭さぶりは思わず笑ってしまうし、様々な苦悩ぶりを繊細に演じる表情がいいです。
　しかし、ＭＪ役のキルスティン・ダンストはなぁ・・・まぁ、彼女を「キュート」と評する意見もあるけど、映画のヒロインには相応しくない、と思う人も相応にいるんじゃないか、って思います。

　既に、完結編となる第３作の製作も決定、終盤では、「３」に向けての布石も打たれました。
　（２００７年５月公開？）
　次は、親友・ハリーとの対決、と言う救いのない話になるのは見えています（原作コミックスも終盤は救いようがない話でした）が・・・どのような物語を編み出すのかが楽しみです。

　（７月１２日　ＷＭＣ海老名にて）

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