ディボース・ショウ

　月曜日、この日は天気が悪かったので、電車で通勤。
　定時で上がって、この日は横浜に出て、久々に相鉄ムービルに行き、「ディポース・ショウ」を観て来ました。

　これは、コーエン兄弟の最新作。
　訴訟社会・アメリカで、既に半ばビジネスになりつつある、離婚訴訟を巡るラブコメディです。

　主人公は離婚訴訟で連戦連勝の敏腕弁護士マイルズ・マッシー。
　そんな彼に持ち込まれた不動産王レックスロク氏の離婚訴訟。
　レックスロク氏の浮気現場を押さえた証拠を持って、莫大な慰謝料を請求する妻・マリリンだが、マッシーは鮮やかな手並みで逆転勝利。マリリンは、１ドルの慰謝料もなしに縁を切られてしまう。
　しかし、富豪と結婚、そして離婚によって莫大な富を狙うマリリンは、次のチャンスを窺っていた・・・

　この映画、何と言っても主演ふたりが魅力的。
　主役のマッシーを演じるジョージ・クルーニーは、男から見ても惚れ惚れするような格好のよさだし、マリリン役のキャサリーン＝ゼタ・ジョーンズは、こちらも蠱惑的な悪女の魅力が溢れるほど。
　脇を固める俳優も、ジェフリー・ラッシュにビリー・ボブ・ソーントンと言う、実力派と言うか曲者揃いで、これは何とも豪勢なキャスティングです。

　そんな魅力的な俳優を揃えて描くドラマは、言ってしまえば、ドタバタコメディ。
　だけど、２転３転する先が読めない展開に、詰め込まれたギャグ、それに、米社会への皮肉をも含ませた脚本は、なかなかの出来。
　なるほど、幾度もアカデミー賞にノミネートされたコーエン兄弟、ただのラブコメを作っては来ません。
　映画は、浮気から始まり、離婚と言う、ラブストーリーとして触れたくない状況を中心に描く、大人のラブコメディ。
　豪華でお洒落な、いかにもアメリカ映画、と言う感じで味付けされつつ、そこにちょいと毒を潜ませる辺りは大したものだと思います。

　残念なのは、あまりにビッグキャストを揃え過ぎたせいか、物語に軽妙さがないこと。
　俳優の魅力を活かしきるだけのパワーが物語になかった、と言うより、もう少し若い俳優が演じるか、あるいは徹底的にコメディにしてしまうかの割り切りが必要だったように感じました。

　なかなかの出来だと思うけど、納得行かないのは、日本での公開。
　この前の「恋愛適齢期」もそうだったんだけど、２週間の限定公開、ってのはもちっと考えて欲しいものです。

　（４月１９日　横浜・相鉄ムービルにて）

［戻る］