ラブ・アクチュアリー

　月曜の定時日、例によって、早めに仕事上がって映画を観に行く事に。
　映画は、「ラブ・アクチュアリー」。
　「ブリジッド・ジョーンズの日記」の脚本家、リチャード・カーティスによる恋愛コメディーです。

　この映画、主要な登場人物だけでも１９人、９組（・・・で、よかったかな？）の恋愛を描くラブコメディーなのですが、そのスタイルがスゴい。
　この手の映画、通常ならオムニバス形式にする所を、この映画は、複数のエピソードを平行に突っ走らせる。
　しかも、それらのエピソードは、互いに絡み合い、人々の関係も複雑に絡み合っているのです。
　効果的に音楽を使った、エピソードの切り替えもいいし、それらのエピソードが、クリスマスと言うクライマックスに向けて収斂していく辺りの構成も見事。
　監督のリチャード・カーティスは、これが初めての映画だと言うのだけど、そうとは思えない構成の巧みさです。
　（まぁ、「ブリジッド・ジョーンズの日記」を含め、脚本家として、立派な実績もあるのですが・・・）

　そんな内容なので、この映画、ストーリーの要約は意味がありません。（と言うより出来ません(^^;）
　しかし、そんな数多くのエピソード、それがひとつとしてつまらないものがなく、それぞれに魅せる所があるのが、これまたスゴい所。
　更に、笑える部分も多いし、イギリス映画らしい風刺の効いたシーンもちらほら。
　そして、最も魅力的なのは、数多く描かれた幾つもの恋愛模様。
　決して特別なものではない、等身大の人々が織りなす、その様々な形は、誰しも幾つかは経験があったり、感情移入が出来るものではないでしょうか？
　この映画、観る人の年齢や、経験、それぞれに応じて自然に気持ちが入ってしまう、無数の名シーンがあると思います。

　よく練り込まれた脚本、美しい映像、印象的に使われる数多くの名曲。
　そして、起用された大スター（ヒュー・グラント始め、アラン・リックマン、コリン・ファース、エマ・トンプソンなどなど）も無名の新人も、それぞれが出しゃばらずに、ひとりの恋する人として、それぞれの役割をきちんと演じる。
　これは本当によくできた映画です。

　ただ、惜しいのは、構成があまりに巧みであるが故に、煩雑ではないものの盛り込まれているエピソードの幾つかはクライマックスに綺麗に繋がらず、中途半端とも思える幕切れになってしまったこと。
　（ちょっと「策士、策に溺れる」と言う傾向がなくもないです）
　この辺りを整理し、魅力的なエピソードを、より深く描写して貰えたらなぁ、と思ってしまいました。
　また、これは映画の責任ではないのだけど、この内容なら、是非ともクリスマス前に観たかったぞ。

　（２月９日　ＷＭＣつきみ野にて）

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