「エリザベス」

　映画は、１６世紀に大英帝国の基礎を築いた女王・エリザベス１世の若き日を描いたものです。
　監督は、シェカール・カブール。主演は、ケイト・ブランシェット。
　ちなみに、この映画、今年のアカデミー賞、６部門にノミネート、最優秀メイク賞を受賞しています。

　即位以前のエリザベスが、ロンドン塔に幽閉される所から、即位し、女王を地位を不動のものとするまで、陰謀策術渦巻く英王室を舞台に、権力闘争・イギリス支配を狙う外国勢力の陰謀・そして、ロマンスと、描かれる内容は豊富です・・・が、面白くなりそうな題材は揃っているのにも関わらず、この映画、思った程には面白くなかったです。
　（途中、退屈して時計が気になった位）
　理由のひとつとしては、舞台背景への説明不足があります。
　この映画、プロデューサーも脚本家もイギリス人（監督はインド人で、主演のケイト・ブランシェットはオーストラリア人だけど、まぁ、イギリスとの関係が深い国々ではある）と言う、イギリス映画。
　イギリス人にとって、エリザベス女王とその時代と言えば、日本人にとっての信長、秀吉、家康みたいなもんで、特に説明しなくても充分なのかも知れませんが・・・この辺、もう少し背景を描いてくれた方が面白くなったように思います。
　また、展開と言うか、前後のシーンの繋がりが悪い部分がいくつかあって、それが陰謀劇のサスペンス性を削いでいたように感じられたのが残念な所。

　主演のケイト・ブランシェットは３０歳になると言う事で、落ち着きが感じられるし、演技も巧み。
　即位前のおどおどした様子から、女王になってからの威厳に満ちた姿までをきっちり演じてはいますが、即位前の娘姿はちょっと辛かったかな。(^^;
　エリザベスの恋人役を務めるのは、「恋に落ちたシェイクスピア」で、主役のシェイクスピアを演じたジョセフ・ファインズ。
　同じ時代（ちなみに、「恋に落ちたシェイクスピア」にもエリザベス女王は出て来ます。こちらでは、ジュディ・デンチが演じてますが）の上に、妻帯者の癖に恋に落ちる所まで同じなので、キャラクターがダブって仕方ありませんでした。(^^;

　（９月５日　横浜・相鉄ムービルにて）

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