「ザ・コア」

　木曜日、「ザ・コア」を観て来ました。

　「マトリックス　リローデッド」の対抗馬としてブツけられた、パニックものの映画だけど、ネタは古いわ、出演者は地味だわ、と、こいつは苦戦を強いられそうだなぁ。(^^;

　地球は、その内部の核（コア）を回転させる事で磁場を発生させ、宇宙からの有害な放射線から地表を守っている。
　それが消失すれば、人類を含む地上の生物は全て滅亡してしまうだろう。
　大学教授のジョシュ・キーズは、地球各所で発生した異変の分析から、核の回転が停まってしまった事を察知、レポートをまとめる。
　そのレポートを元に、アメリカ政府は極秘にプロジェクトチームを結成。地下奥深く潜行し、地球の核を再回転させる為、深深度地下探査艇、バージル号の緊急建造を開始した・・・

　「人類は１年以内に絶滅する！」と言う、どっかで聞いたことがあるようなコピーをつけられた本作は、あの「アルマゲドン」の舞台を地底に移したようなパニックもの。
　「アルマゲドン」も、ツッコミ所満載の映画だったけど、この映画は、それ以上にツッコミ所満載。
　大体、宇宙線から地球を守っているバンアレン帯が、地球の核の回転によって生み出されている、と言う設定自体が眉唾ものなら、バンアレン帯消失によって人類が滅亡する、と言う設定、それに核を再回転させるプロセスに至るまで、どうにも説得力が感じられません。
　まぁ、所詮は娯楽映画なのだから、映画観ている間だけでも誤魔化してくれればいいのだけど、その辺りが下手と言うか、製作者が妙に真面目なようで、上手く誤魔化してくれない感じです。
　随所に挿入された、ちょっと笑える台詞や展開も、その場限りで、全体としては、固い印象を与える為に、どうしても設定の無理が気になってしまうのです。

　この映画のＳＦＸは大したもので、ロスアンゼルス市街に降下してしまったスペースシャトルの映像とか、ロンドンで、人々を襲う鳩の群などのシーン、それ自体は文句のない出来映え。
　また、舞台を地球内部とし、今まで誰も見たことのない世界をスクリーンに描き出した、そのアイデアと、意欲は大したもの。
　こうした、力の入った映像を活かす物語が得られなかったのは、勿体ないと言うか、残念と言うか・・・

　印象的だったのは、情報担当となる、天才ハッカー、”ラット”がディスティニー発動阻止の為に、発電システムに侵入しようとする所。
　「システム侵入なんて呼吸するより簡単さ」と嘯いていたのに、幾度となく失敗。阻止できなければ仲間の命が危ない、と言う状況で、己の非力さに涙をポロポロ流しながらキーボードを叩き続ける姿には、なんだか感動しましたねぇ。

　まぁ、この映画、最新の映像技術でリメイクした、往年のパニックものと見れば、これはなかなかの出来映えかもしれません。
　ただ、それならそれで、もうちょっと遊びが欲しかったような気も・・・(^^;

　（６月２０日　ＷＭＣつきみ野にて）

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