Ｔ−３４
レジェンド・オブ・ウォー

ダイナミック完全版

　これは、アレクセイ・シドロフ監督が描く戦争映画で、本国ロシアで大ヒット。日本でも昨年１０月に公開され、戦闘シーンの迫力が話題となって、クリーンヒットを飛ばした戦車アクション「Ｔ−３４　レジェンド・オブ・ウォー」のインターナショナル版に２６分のシーンを追加したロングバージョン。
　
　１９４１年。ソ連軍の戦車将校イヴシュキンは初陣ながらドイツ軍の１個戦車中隊相手に奮闘するものの捕虜となってしまう。
　それから３年。ナチス・ドイツ親衛隊の戦車指揮官イェーガーは、新兵訓練の“生きた標的”として、かつて対峙したイヴシュキンを指名。鹵獲したソ連軍新鋭戦車Ｔ−３４／８５を操縦する事を命じる。
　イヴシュキンはこの機に収容所から脱走すべく策を練り、いよいよ運命の日を迎えて……
　
　この映画、昨年秋にインターナショナル版を観ているのですが、それよりは２６分長くなってはいるのですが、冗長に感じる部分なく、むしろ、ここから２６分もよく切ったものだ、と言う感じ。そのくらい、無駄に思える部分がありません。やはり、よく出来た映画だなぁ、と感心しました。

　そして、エンドロールではイヴシュキンらの“その後”が描かれます。ドライバーは復員して実家の農家でトラクターを運転、砲手はハンターとなり、ぼんやりとしていた装填手は、脱出行の途中で略奪した絵皿をきっかけにアーティストになっていました。そして、あんなに不敵で不屈の男、イヴシュキンがマザコンの一面を見せるのも印象的でした。
　そんなほっとするようなエンドロールの後、場内からは拍手が沸き上がりました。そんな熱くなる映画も久しぶりでした。
　

　（２０２０年　２月１５日　チネチッタにて）

（作品データ）

　■監督・脚本

アレクセイ・シドロフ

　■出演

ニコライ・イヴシュキン　・・・　アレクサンドル・ペトロフ

クラウス・イェーガー　　・・・　ビツェンツ・キーファー

アーリャ　・・・　イリーナ・ストラシェンバウム

（その他のキャスト）
　ヴィクトル・ドブロヌラヴォフ　　アントン・ボグダノフ　　ユーリイ・ボリソフ

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