これは、五十嵐大介のコミック「リトル・フォレスト」を、韓国で映画化したもの。本作は既に橋本愛主演で映画化されており、そのリメイクであるとも言えます。
　主演は「お嬢さん」のキム・テリ。

　ソウルでの暮らしに行き詰まり、大学卒業を機に故郷の小さな村へ戻ってきたヘウォン。
　そこで、旧友のジェハとウンスクに再会したヘウォンは、米作とリンゴの名産地としても知られる農村である故郷で、自分の手で育てた作物を食べる、自給自足の生活を始めるが……

　日本版の映画は全２巻の単行本を２部作として描きましたが、韓国版は、１本にまとめてきました。
　農村での働きっぷりや日常の暮らしのシーンが大きく削られ、何だかずっと主人公のヒロインが料理をし、食べ続ける、と言う印象となりました。
　蒸し餅や、自家製マッコリと言う韓国ならではの描写も興味深く、母の作ったキャベツ入りチヂミをオリジナルだと信じていたヘウォンが、ソウルに出て、それが日本のお好み焼きだったと知って裏切られた気持ちになる、とか工夫を凝らした料理ネタは楽しく、素朴だけど手の込んだ、正にスローフードな料理は美味しそう。
　それら出て来る料理が野菜中心なのは、やはり女性向けを意識しての事でしょうか？ただ、日本版にあった「命を頂く」と言う部分が抜け落ちたのは物足りなくも思いました。
　また、ヘウォンがどうやって生計を立てているかがはっきりとしないのももやもやします。

　ヘウォンを演じたキム・テリは、韓国女優としては珍しい丸顔の童顔で、池脇千鶴の若い頃のような感じ。橋本愛とは異なるタイプなのですが、彼女の垢抜けない所が、このドラマには上手く合っていたように思います。

　物語としては、日本版にあった己と向き合う部分や、モノローグが少なくなり、母と娘の関係、そしてジェハを巡る、ウンスクとの三角関係の恋愛にドラマの比重かかけられているのも韓国流でしょうか。
　ある意味、判り易い話にはなったように思うのですが、最後、ヘウォンが一旦村を離れる辺りがちょっと説明不足で、いまひとつすっきり来なかったのが残念に思えました。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

イム・スルレ

　■出演

ヘウォン　・・・　キム・テリ

ジャハ　・・・　リュ・ジュンヨル

ウンスク　・・・　チン・ギジュ

（その他のキャスト）
　

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　■Ｌｉｎｋ

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