| 土竜の唄 香港狂騒曲 |
これは、高橋のぼるの同題の人気コミックスを、三池崇史と宮藤官九郎がタッグを組んで映画化したアクション・コメディ「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」の続編。
警察学校史上最低の劣等生で問題警官の菊川玲二だが、“モグラ”と呼ばれる潜入捜査官として思わぬ適性を発揮。
日本最凶の暴力団・数寄矢会に潜入し、傘下の阿湖義組の若頭補佐を検挙、組長を引退に追い込むなどの実績を上げつつ、クレイジーパピヨンの異名を持つ日浦匡也の日浦組の若頭に抜擢されるなど組織内でも重用されるようになっていた。
そして、玲二は会長・轟周宝の警護につく事になり、ひとり娘の迦蓮のボディガードとなる。だが、その最中に迦蓮が誘拐されてしまい……
前作は問題警官の玲二が潜入捜査官になるまでの話が中心でしたが、続編となる本作は、潜入捜査官としての任務はあまり出て来ません。物語は、数寄矢会と敵対する中国マフィアを登場させ、そのシノギである人身売買オークションに迦蓮がかけられるのを阻止する、と言うのもので、偽りの身分がバレるかどうか、と言う潜入捜査官もののサスペンスとしては希薄であり、むしろピカレスクロマンの色合いさえあります。
そんな映画ですが、前作以上に股間にこだわった下ネタ満載。クドカンならではの遊びに、三池崇史ならではの悪ノリが加わって、いささか下品ではあるものの、ドタバタコメディっぷりは前作以上。
生田斗真の顔芸は、堤真一や古田新太などのベテランにも劣らないものに進化し、ジャニーズのタレントとして大丈夫なのか、と思うほど。
女性陣にも容赦のない三池監督は、菜々緒の美貌をＣＧ使ってまで歪ませると好き放題で、これまたよくやったものです。
残念だったのは、玲二のマドンナとなる純奈役の仲里依紗で、どうにもオバサン臭く、こりゃ本田翼に「ババァ」と罵られても仕方ないな、と見えてしまうのが気の毒でした。
ただ、この映画、いろいろと仕掛けはしているのですけど、どうにもテンポが悪い。ひとつひとつのシーンがしつこいし、流れも悪く感じます。
そもそも、この話と内容で、１２８分は長過ぎる印象で、もっとテンポアップして小気味よく展開していけばずっと印象はよくなったと思うのですが、だらだらした展開でギャグの切れまで悪くなったような感じ。まぁ、三池監督らしい所ではあるのですが、ちょっと残念な仕上がりでした。
（２０１６年 １２月３１日 横浜 ムービルにて）
（作品データ）
■監督
■出演
菊川玲二 ・・・ 生田斗真
日浦匡也 ・・・ 堤真一
轟周宝 ・・・ 岩城滉一轟迦蓮 ・・・ 本田翼
（その他のキャスト）
仲里依紗 上地雄輔 瑛太 古田新太 菜々緒 渡辺哲
吹越満 遠藤憲一 皆川猿時
■コピー
日本の潜入捜査官、ナメんなよ！
香港上等バッチ来――――い !!
■Ｌｉｎｋ
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