ブリジット・ジョーンズの日記
ダメな私の最後のモテ期

　これは、冴えない独身ＯＬの恋騒動を描いて人気となった「ブリジット・ジョーンズの日記」のなんと１２年ぶりの続編。

　４０過ぎて未だ独身、誕生日にもひとりバースデーケーキのブリジット。仕事では、ＴＶの情報番組のディレクターを任せられるようになっていたが、このまま独りではいけない、と意気込んで、ＴＶキャスターの悪友と出かけた音楽フェスで、出会ったジャックと言うナイスガイと一夜を共にしてしまう。
　しかも、後日、再会した元カレのマークともムードに流されるままでベッドを共にしてしまい……これがブリジット最大の危機を招くことになる。
　なんと、ブリジットは妊娠してしまったのだ！

　レニー・ゼルウィーガーは、この数年で整形とダイエットによって、その容貌を大きく変えてしまいました。
　ぽっちゃり体型は見違えるようにスリムになり、目の小さな愛嬌のある顔立ちはしわ取りのリフトアップとボトックス施術により、目のつり上がった険しいものに変化。最早、別人と言ってよさそうな変貌ぶり。これでは、映画を企画する方も起用を躊躇しようと言うもの。今回は、メイクによって顔立ちこそ温和に見せていますが、これまでブリジットを演じるために増量をして来たレニーも、今回はほとんどそのままで、どうにもらしくありません。　
　しかも、年齢以上に老けて見えてしまい、本作は当初観るのを躊躇した程です。

　内容は原題のサブタイトルが「ＢＡＢＹ」とある通り、今回はブリジットの出産がテーマ。
　しかも、「どちらが父親か判らない！」と言うドタバタ騒動の末にデキ婚、と言う辺りの賑やかしい展開は、いかにもブリジットらしい。
　……とは言え、年齢（撮影時４６歳）以上に老けて見えるレニーが、男とセックスに振り回され、挙げ句に妊娠、と言う役を演じるのはさすがに痛々しい。お気楽コメディとして、匂わすと言う描写も出来ないだけに、露骨になるセックス関連の下ネタの連打も同様です。
　もっとも、そうした部分を除けば、笑える部分も多く、コメディとしては秀作なのですが……
　また、持ち前の愛らしさも色薄れ、“痛い中年女”になってしまっているブリジットがここまでモテるのも無理があるよなぁ、と……まぁ、この辺は女性向けのファンタジーと見るしかないのでしょうが……
　
　そして、注意すべきは、シリーズ最終作となる本作、これまでといささかテーマを変えていること。
　これまでの「ブリジット・ジョーンズの日記」と言うのは、ドジでも、ダイエットに失敗しても、（ちょっと歳も食っていても）ありのままの自分で恋愛出来る！と言う内容で、女性たちに支持されて来ました。
　「アナと雪の女王」を観るまでもなく、女とは変わる事なく「そのままの君でいて欲しい」と言う言葉を待っているものなのです。
　ただ、そんなブリジットの恋愛ゲームも打ち止め、女の幸せとは「結婚と出産」と言うゴールにたどり着いた本作、このシリーズを支持して来た、所謂“負け犬”と呼ばれる女性たちに冷や水をぶっかけるようなものであるような気がします
　

　（年　月日　にて）

（作品データ）

　■監督

シャロン・マグアイア　

　■出演

　ブリジット・ジョーンズ　・・・　レニー・ゼルウィガー

　マーク　・・・　コリン・ファース
　ジャック　・・・　パトリック・デンプシー

（その他のキャスト）
　ジム・ブロードベント　　ジェマ・ジョーンズ　　エマ・トンプソン　　サリー・フィリップス　　ジュリアン・リンド=タット　　シャーリー・ヘンダーソン
　ベン・ウィルボンド　　カーチャ・エリザローヴァ　　ニール・ピアソン　　ジェイムズ・キャリス　　ジェシカ・ハインズ　　セリア・イムリー
　ジェイムズ・フォークナー　　ティム・ウォナコット　　エド・シーラン

　■コピー

忘れられない元カレ新しいカレ困った三角関係?!　

　■Ｌｉｎｋ

http://bridget-jones.jp/　

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