| 超高速！参勤交代 リターンズ |
これは超高速な参勤交代を強いられた弱小藩の奮闘を描いてブルーリボン賞に輝いた異色時代劇の続編。
前作同様、本木克英がメガホンを取り、５日で江戸への参勤を成し遂げた湯長谷藩の帰路を描きます。
予算も時間もない中で江戸への参勤という無理難題を成し遂げた磐城国湯長谷藩の藩主・内藤政醇とその家臣たち。
行きとは変わってのんびりと帰路に就いた一行だったが、その道中、湯長谷で一揆が起きたとの一報が入る。２日間以内に藩に戻り、一揆を収めた上で幕府の使者に事態の報告をしなければならなくなった一行は……
江戸行きが「参勤」なのだから、帰らなければ「交代」にはならない、と言ってはみたものの、さすがに同じ手は使えません。
そこで、物語はスケールアップ＆スピードアップを図り、今度は湯長谷まで２日で駆け抜けると共に、老中の陰謀もまた規模を拡大。今度は柳生一族まで引っ張り出し、力づくでの湯長谷奪取を目論みます。
しかし、そうした作りとしたせいで、第一作に感じた物足りなさや違和感を感じた部分が強調され、この映画ならではの部分を失い、完成度まで引き下げてしまったように思えます。
なにしろ、肝心の参勤交代は極めて限られた描写となり、その一方で、第一作でもやり過ぎに感じた大チャンバラが拡大しているのですから……
いくら評価は得たとは言え、この映画は相変わらずの小予算であり、藩のお取り潰し騒動に大規模合戦シーンを含む本格時代劇においそれと出来る訳がありません。
小藩とは言え、１万５千石取りで１国に城を構える大名が数える程しか家臣がいない、と言う描写は不自然極まりなく、そんな手勢で大軍相手に大立ち回り、と言うのは明らかに行き過ぎで白けてしまいます。
前作は、小予算を逆手に取り、貧乏藩のやりくりぶりを描いて様になってはいたものの……本作はいささか調子に乗り過ぎ、隠し切れない粗を露見してしまったように思いました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
本木克英
■出演
内藤政醇 ・・・ 佐々木蔵之介
相馬兼嗣 ・・・ 西村雅彦
松平信祝 ・・・ 陣内孝則
（その他のキャスト）
深田恭子 伊原剛志 寺脇康文 上地雄輔 知念侑李 柄本時生 六角精児
古田新太 近藤公園 渡辺裕之 中尾明慶 橋本じゅん 宍戸開 富田靖子
大鶴義丹 舞羽美海 宍戸美和公 神戸浩 梨本謙次郎 斎藤歩 田中壮太郎
田口浩正 市川猿之助 石橋蓮司
■コピー
金なし！ 人なし！ 時間なし！ おまけに帰る城もなし!?
■Ｌｉｎｋ
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