「クレヨンしんちゃん　

　　　　　　　　　　　　〜嵐を呼ぶアッパレ！　戦国大合戦」

　今日は、昨日に続いて天気が悪い。
　ま、今日は１日で、映画が１０００円で観られるのですから、映画を観に行く事にしました。

　まずは、「クレヨンしんちゃん　嵐を呼ぶアッパレ！戦国大合戦」。
　これは、人気コミック、「クレヨンしんちゃん」の映画版第１０作。
　昨年の「嵐を呼ぶモーレツ！オトナ帝国の逆襲」が、タイトル通り、大人を唸らせ、泣かせた傑作だけに、次の映画はどうなることやらと思っていたけれど、これがまたなかなかの出来。かなり真面目に戦国時代を描いた本格時代劇となっています。

　今回、野原一家は、戦国時代の天正２年にタイムスリップ。
　後に春日部となる地を治める春日家の居城、春日城を巡る戦いに巻き込まれる事になります。
　映画は、この戦いに、城主の娘、廉姫と家臣、井尻又兵衛の恋を絡めて描いて行きます。

　この映画、びっくりしたのは、戦国時代の時代考証、それに風俗描写がしっかりしていること。
　まるで黒澤明の映画のような世界で、まぁ、この世界に異分子たるしんちゃんが紛れ込んで、引っかき回すのが、この映画の面白さではあるのだろうけど、それにしても前作もそうでしたが、そうした描写に手を抜かない作り手の姿勢には感心する、と言うか呆れる程。
　また、合戦シーンも迫力があります。
　一応は子供向けの映画なので、血が飛び散るような事はありませんが、銃弾や矢、石つぶてを受けてバタバタと足軽が倒れる、そうした戦場描写を避けません。
　リアリティの方も十分以上で、鉄砲を撃つ前には、ちゃんと「火蓋を切る」のが描写されますし、足軽の長鑓、これを”突く”のではなく、”叩く”描写をやったのは、映像作品では珍しいのではないでしょうか。

　但し、今回、そうした描写の方にウェイトが置かれて、レギュラー陣の活躍場面が少ないのが難点（でも、一応、みんな見せ場は用意されているのはさすが）だけど、そこは仕方ないかな。
　また、今回のゲストキャラ（戦国時代の人々）の絵が、しんちゃんの絵柄から大分離れてしまっているのも、ちょっと違和感ありました。

　物語としては、タイムシリップする前に、サトシが春日城攻防戦で「野原進之助と一族郎党の活躍」がある事を調べている時点で、どうなるのか予想がついてしまい、また廉姫と又兵衛の結ばれない恋物語も扱いが中途半端であるのだけど・・・それにしたって、しんちゃん映画で、ラスト、あのような泣き落としに来ると言うのは、全くの予想外でした。(/_;)
　エンディングの、又兵衛の旗印には、思わず涙してしまいました。

　（５月１日　ＷＭＣみなとみらいにて）

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