アベンジャーズ
エイジ・オブ・ウルトロン
これは、アイアンマンらマーベル・コミックスのヒーローたちが作品を越えて集結するアクション大作「アベンジャーズ」の第二弾。
ハイドラの研究施設を急襲したアベンジャーズは、“ロキの杖”の奪還に成功。
その杖の調査を始めたトニー・スタークは、嵌めこまれた宝石の中に人工知能らしき存在を発見。
ニューヨークでの戦い以降、アベンジャーズによる平和維持活動に限界を感じていたトニーは、密かに構想していた人工知能による平和維持システム「ウルトロン計画」に、この人工知能が使えるのでは、と考える。
トニーは、計画に否定的なブルース・バナーを説き伏せ、共に「ウルトロン計画」を進めようとするが……
お馴染みのヒーローたちの数年に一度の顔合わせとなる本作はよくも悪くも“お祭り騒ぎ”。
第一作で個性的な面々の自己紹介と衝突を経てのチーム結成を済ませたと言う事もあって、今回は冒頭からいきなり激しいアクションを描き、それからも盛り沢山の内容をテンポよく見せて行きます。
まぁ、そうでもしないとこれだけのキャストにキャラクター、内容を見せられないでしょうし、それでも尚、描き足りないと思わせる辺りの贅沢さもまたアベンジャーズらしい所。
アクションだけでなく、個性的なキャラクターの掛け合いやふざけ合いなども楽しいし、戦闘中に軽口や冗談を交わし合う辺りはいかにもマーベル作品らしい。
それでいて、家族愛をしっかりと描き、それに対比して子供を持てない超人の悲哀を描く事でドラマにアクセントと深みを与えているのも見逃せません。
出来映えとしては前作と比べれば落ちるものの、娯楽作品としては水準以上、夏休み娯楽作品として満足の行く内容なのは確かでしょう。
もっとも、個性的なだけにまとまりが悪いのもやはりアベンジャーズで、暴れ回るだけのハルクは仕方ないにしても、軍関係者で社長としてスターク社を率いていたトニーや、米軍士官のキャップ、王子として一軍を率いるソーが、揃いも揃ってまともな作戦指揮も出来ないのはどうかと思います。
まぁ、“大軍に兵法なし”を地で行くアメリカ軍を投影しているとも言えなくもないし、そうした大味さもらしさなのかも知れませんが……
また、今回よりマーベルスタジオがディズニー傘下となった影響で、妙にお行儀がよいのも気になった所。
暴れるハルクとの戦いの最中、ビルが無人だと言う事を確認した上で、ビルを購入してからぶっ壊すトニーには失笑させられましたし、クライマックスとなる街の破壊シーンでも、近隣住民を避難させる所から始まって、取り残された住民たちは、その飼い犬まで救助し、犠牲者を出していないのです。
人類絶滅を目指す強敵・ウルトロンを以てしても、ディズニーの暴力描写社内基準には勝てない、と言うのは如何なものか、と……
エンドロール後のお約束のプレビューからすると、次回の舞台は宇宙になりそう。そうすると、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」の面々が合流でしょうか？
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジョス・ウェドン
■出演
トニー・スターク＝アイアンマン ・・・ ロバート・ダウニーＪｒ．
スティーブ・ロジャーズ＝キャプテン・アメリカ ・・・ クリス・エヴァンス
ブルース・バナー＝ハルク ・・・ マーク・ラファロ
ソー ・・・ クリス・ヘムズワース
ナターシャ・ロマノフ＝ブラック・ウィドウ ・・・ スカーレット・ヨハンソン
クリント・バートン＝ホークアイ ・・・ ジェレミー・レナー
ニック・フューリー ・・・ サミュエル・L・ジャクソン
（その他のキャスト）
ジェイムズ・スペイダー ドン・チードル アーロン・テイラー＝ジョンソン エリザベス・オルセン
コビー・スマルダーズ ステラン・スカルスガルド ポール・ベタニー アンソニー・マッキー
ヘイリー・アトウェル イドリス・エルバ リンダ・カーデリーニ キム・スヒョン トーマス・クレッチマン
アンディ・サーキス ジュリー・デルピー ヘンリー・グッドマン ブライアン・ジェーファー スタン・リー
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